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「まずはじっくり自分の意見を考えてみよう」と、中学生に呼び掛ける高校生=伊丹市南野北2、笹原中学校
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「まずはじっくり自分の意見を考えてみよう」と、中学生に呼び掛ける高校生=伊丹市南野北2、笹原中学校
「じゃあ、こんな考え方はどうだろう」。生徒の思考の幅を広げる=伊丹市南野北2、笹原中学校
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「じゃあ、こんな考え方はどうだろう」。生徒の思考の幅を広げる=伊丹市南野北2、笹原中学校

 教壇に立つ高校生が、中学生と一緒に頭をひねった。「幸せって何だろう?」-。兵庫県伊丹市立笹原中学校で行われた、大阪高校(大阪市東淀川区)の生徒による「出前授業」だ。この日のために準備を重ねてきた高校生は、中学生の緊張を上手にほぐして本音を引き出すことに成功。活発に意見が飛び交う光景はさながら「白熱教室」で、生徒にとって刺激満載の2時間となった。(鈴木久仁子)

 笹原中での授業に臨んだのは、大阪高校「探究コース」の中西優一さん(16)ら2年生12人。同コースは生徒が正解のない問い(課題)と向かい合い、じっくり調べて考えるのを特色とする。出前授業は、同高の生徒が「中学生と共に学びを深める」ことを目的とした取り組みで、笹原中は「トライやる・ウィークの代わりに」と依頼し、2年生4クラスの計123人が参加した。

 さて、今回のテーマは「あなたの考える幸せって何ですか」。まさに正解のない問いであり、一足飛びには行かない。

 そこで中西さんたちは、まず「生まれ変わったら何になりたいか」という問いを用意し、付箋を配って記入してもらうことにした。行き詰まった生徒がいれば近づいて「ほな、将来の夢って考えてみない?」。思考が広がるように別のアプローチを提案した。

 書き終わった後、理由も合わせて発表してもらうと個性的な答えが相次いだ。

 「異性。だって相手の気持ちが知りたい」

 「水分。何も考えずにふーっとしてたい」…。

 教室に笑いと共感が広がる。「拍手拍手~」。伸びやかな中西さんらの声で、一気に空気が和らぐ。

 続いて1枚の絵が映し出された。映画「スター・ウォーズ」の帝国軍兵士、ストーム・トルーパーのような格好の人物が、米国風の家庭の庭で、芝刈り機とともに立ち尽くしている。

 「何でもいいから思ったことを書いてみて」。とまどう生徒たちに、中西さんらは「例えば、この人は黒人かな? 女性かな? 家族はいる? どんなストーリーでもいいよ、考えて。正解はないよ」と促す。

 次第に意見が出てくる。「ここがコイツのアナザースカイ!」「今週の掃除当番は俺か~」…。大喜利のような盛り上がりだ。

 いよいよ自分自身の幸せについて考える。教室は高揚感に満ち、もはやどんな意見も間違いだと言われない。好きに発言できる楽しさが生徒の背中を押し、次々と意見が飛び出した。

 「部活している時。顧問の先生がいないともっと幸せ」

 「好きな人からの電話」

 「先輩が先生に怒られている時」

 「金曜日の夜と土曜日の朝」

 「自分に自信が持てた時」

 笑い声が起き、賛同の拍手が響く。発言のたび、教室は沸き立った。

 終了後、女子生徒(13)は「一生懸命考えたら、思ってもみなかった考えの自分に出会った」と笑顔で振り返った。ほかにも「人によってこんなに考えが違うのかと分かって楽しかった」「班で次々アイデアが出て、忘れられない経験」と感想が出た。

 中西さんたちも「自分たちは中学時代に比べて、ものすごく世界が広くなった。高校生活に夢を持ってくれたかな」「のびのびと意見が出て良かった」とホッとした様子。笹原中の菰口太志(こもぐちふとし)校長は「年は近いけれど、地元にはいない、初めての先輩という距離感がいい具合に作用した。来てもらって有意義だった」と話した。

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