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「KOBE→KUMAMOTO」の文字があしらわれたアートボードを手にする生徒=神戸市中央区熊内町6、市立布引中学校
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「KOBE→KUMAMOTO」の文字があしらわれたアートボードを手にする生徒=神戸市中央区熊内町6、市立布引中学校
山中裕貴さん(右)の指導で和太鼓に触れる生徒ら=神戸市中央区熊内町6、市立布引中学校
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山中裕貴さん(右)の指導で和太鼓に触れる生徒ら=神戸市中央区熊内町6、市立布引中学校
生徒が縫い上げた刺しゅうの作品
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生徒が縫い上げた刺しゅうの作品

 「忘れていないよ、頑張って」-。昨年7月、九州を中心とした豪雨災害に見舞われた熊本県球磨村の児童らを励まそうと、神戸市立布引中学校(神戸市中央区)の2年生62人が、めいめいの刺しゅう作品を寄せ合わせたアートボードを作り、同村の2小学校に贈った。「人を助けたい、という気持ちを伝えたかった」という思いを一つにし、手芸に不慣れな生徒も手ほどきを受けて挑戦した。

 熊本県のまとめ(2日時点)によると、昨年7月4日の豪雨などで、同県内では死者67人、不明2人、家屋全壊1493棟などの被害が出た。

 中でも球磨村は死者25人と、県内の市町村で最も多くの人が犠牲になった。村内2小学校のうち、渡小は1階の天井まで水没し、体育館の床はめくれ上がった。同校の児童らは、残る一勝地小に設けられた仮設校舎で学んでいる。

 布引中2年生は来年度、修学旅行で熊本県を訪れる予定で、「被災地の学校に思いを届けたい」と、兵庫県尼崎市のボランティア団体「MOVE(ムーブ)」に協力を依頼した。同団体は水没した渡小のグランドピアノ修復に尽力しており、橋渡し役を快諾。「熊本豪雨 復興支援プロジェクト~球磨村に応援アートボードを届けよう~」が始まった。

 刺しゅう用品などを扱うルシアン(京都市)が手芸キットを無償で提供。女性がプリントされた無地の布に、服などを自由に刺しゅうする。生徒はルシアンの社員に教わり、熊本のスイカやからしレンコン、神戸のポートタワーなどをあしらった作品を1体ずつ縫い上げた。肥後手まりの柄を施した福井和人さんは「刺しゅうはやったことがなかったけれど、喜んでくれるとうれしい」と話した。

 ムーブ代表で和太鼓・しの笛奏者の山中裕貴さん(33)は6月30日、ボードの完成に合わせて布引中を訪れ、和太鼓を演奏した。現地の状況も報告。ピアノ修復活動を振り返って「大手のメーカーに断られたり、何度もくじけそうになったりした。でも、あきらめなかったら多くの人が助けてくれた」と明かし、「被災地を忘れないことが何よりの励ましになる。現地でも届くのを楽しみに待ってくれている」と話した。(鈴木久仁子)

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