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勤務する岡田太丞さん。視覚障害を音声パソコンで補う=大阪市内(本人提供)
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勤務する岡田太丞さん。視覚障害を音声パソコンで補う=大阪市内(本人提供)
特別養護老人ホームで開かれた作品展。地域との交流が生まれている=神戸市須磨区車、KOBE須磨きらくえん
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特別養護老人ホームで開かれた作品展。地域との交流が生まれている=神戸市須磨区車、KOBE須磨きらくえん

 18日投開票の兵庫県知事選挙で、高齢者や障害者福祉の関係者が中身のある論戦を求めている。県は1992年、全国に先駆けて「福祉のまちづくり条例」を制定し、2018年には誰もが尊重される「ユニバーサル社会」の推進も条例化した。ただ高齢者や障害者の社会参加が進む中、当事者が直面する課題は多様化しており、より踏み込んだ政策が求められている。(佐藤健介)

 県は二つの条例に基づき、高齢者や障害者の社会参加に向け、道路の段差解消や駅のホームドア設置、手話通訳の養成などの基盤整備を進める。その上で当事者は、孤立や就労など生活の中で抱える問題に即した政策を望んでいる。

 「福祉サービスは、自らの障害を受け入れた後に利用できるものが多い。学校や職場に適応できずに孤立を深めるケースなどは、既存の対策から漏れてしまう」。そう指摘するのは、同県南あわじ市で知的・精神障害者の就労支援施設を運営する松本守史さん(40)。「地域の支援者や専門家と早期につながって悩みを解消できる仕組み」を求める。

 視覚障害がある会社員の岡田太丞(たいすけ)さん(55)=同県西宮市=は音声ソフトを駆使しながら勤務するが、「スキルアップしないと重要な仕事を任されないどころか、退職に追い込まれかねない」と、職業訓練の充実を訴える。

 県のリーダーシップで、各市町の福祉施策を強化すべきとの指摘もある。

 視覚障害者団体「眼の会」代表で、鍼灸(しんきゅう)マッサージ師の榊原道真さん(68)=神戸市西区=は、病気で視力を失った際に就職トレーニングなどの情報が十分に得られなかった。その経験から「障害者や高齢者の困りごとを解決する『ユニバーサル係』を県内全市町に置いてはどうか。寄せられた情報を共有すれば、ユニバーサル社会につながるはず」と提案した。

 社会福祉法人「きらくえん」(同市中央区)名誉理事長の市川禮子さん(83)は、高齢者施設を「暮らしの場」と捉え、個室ユニット化など先進的な活動に取り組んできた。

 「人間らしく生活し、多世代の住民や障害者と共生する社会こそ福祉のまちづくりの核。県が市町に働き掛け、兵庫全土が一体となって共生社会を具体化してほしい」と語る。

 高齢になった障害者のケア体制も課題の一つだ。

 ろうあの高齢者に配慮した福祉施設を同県洲本市と神戸市長田区に設立し、自らも聴覚に障害がある大矢暹(すすむ)さん(73)は「聞こえない、聞こえにくい人は、必ずしも歩けないわけではないため、要介護度が低く抑えられ、特別養護老人ホームに入所できないことが多い」と指摘。「手話がいくら浸透しても、十分な介護を受けられなければ、条例が定める社会は実現しない。生活実態に合う支援策を県独自でつくり、実行してほしい」と求めた。

【特集ページリンク】兵庫県知事選2021

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