神戸市兵庫区のノエビアスタジアム神戸に設けられた新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場を４日に視察した西村康稔経済再生担当相が、視察後のぶら下がり取材を急きょキャンセルし、会見も欠席した。当初は公開としていた同市の久元喜造市長や楽天グループの三木谷浩史会長兼社長らとの意見交換も非公開に変更された。

　会見には久元市長と三木谷氏、接種会場の運営に協力する神戸大学の藤澤正人学長、ＳＢＣメディカルグループの相川佳之代表が出席。西村氏が欠席した理由について、司会者は「ちょっとこちらでは分からない」と繰り返した。西村氏はその後、神戸市中央区で行われた県知事選候補者の街頭演説には予定通り参加した。

　神戸市は国の米ファイザー製ワクチンの供給不足を受けて、１回目接種の新規予約の受け付けを一時停止し、６日以降の米ファイザー製ワクチンを使う大規模接種の予約もキャンセルすると発表したばかり。久元市長は「かなり早いペースでワクチン接種が進んできたが、急に供給量が著しく減る。（西村氏には）極めて厳しい状況であることを伝え、支援をお願いした」と明かした。

　同スタジアムでの接種は楽天グループの協力で５月３１日に開始。６月末時点で１日当たり約３５００人の接種を進めている。西村氏はこの日、実際に高齢者らが接種を受けているブースを見学。ロッカールームを活用した経過観察エリアのほか、医師によるオンライン予診の様子も見て回った。（井上太郎）