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 新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置に基づく飲食店への時短営業や酒類提供の禁止の要請に従わなかったとして、兵庫県が7月、56店舗に対して文書による個別要請を出していたことが分かった。要請に従わずに指導や文書要請される店舗は増えており、飲食店の苦境がうかがえる。

 兵庫県は11日までのまん延防止措置期間に、新型コロナ対策の特別措置法に基づき、神戸・阪神間と東播磨・姫路の計15市町の飲食店に午後8時までの時短営業や同7時以降の酒類提供禁止を要請した。従わない場合、20万円以下の過料が科される可能性があった。

 県は2万7636店舗を調査し、15市町で要請に従っていない322店舗を指導。それでも要請に応じなかった56店舗に、7月1~2日に文書で個別要請した。それでも従わない場合は命令を経て過料を科せるが、井戸敏三知事は8日の会見で「(まん延防止措置期間は)11日までなので、命令などは保留せざるを得ない」とした。

 県は緊急事態宣言中の5月下旬に21店舗、宣言の延長期間だった6月中旬に48店舗に対し、文書による個別要請をしたが、命令や過料には進まなかった。県災害対策課は「(時短などの要請が繰り返される中で)我慢ができずに夜の営業を再開する店舗もあるのだろう」とする。

 12日からも県内全域の飲食店に時短などの要請が続く。法的には要請に従わなくても過料が科されることはないが、同課は「感染拡大を防ぐために協力してほしい」としている。(高田康夫)

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