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 国が7月末完了を目指す高齢者の新型コロナウイルスワクチン2回接種について、兵庫県内で少なくとも3万人以上が8月以降にずれ込むことが確実になった。神戸市では国のワクチン供給不足で高齢者約4万人の予約が取り消され、うち取り直している人は12日時点で約1万6千人にとどまるなど、7月中に1回目接種が終わらない人も多数いるとみられる。(高田康夫)

 内閣官房がワクチン接種記録システムの入力状況をまとめて公表しているホームページによると、兵庫県では高齢者接種の開始から3カ月となった12日時点で接種を終えたのは、1回目が121万1097人(接種率77・33%)、2回目が74万9499人(同47・85%)。1日の接種回数をみると、6月末まで右肩上がりに増え、多いときでは5万回を超えた。

 一方、1回目を7月11日に受けた人は8543人、12日に接種した人は3153人。2回目まで3~4週間を空けなくてはならないため、11日以降の1回目接種者は7月中に2回目を終えられないことになる。

 兵庫県がまとめた11日時点の市町別状況によると、1回目接種率が90%超なのは小野市や上郡町など7市町、80%超は明石、伊丹、豊岡市など18市町に上る。60%台は7市。ある市の担当者は「どこで完了とするかは難しいが、7月末で終えるのは困難」と話す。

 淡路市は、入力遅れもあり、1回目接種率65・74%と県内で最も低い。高齢者を対象に8月の予約を受け付けた後、個別接種で前倒しできることを伝えたが、100人以上が予約を変えず8月に接種する。同68・44%の洲本市も、7月下旬まで1回目の集団接種が続き、2回目が終わるのは8月中旬になるという。

 神戸市は同76・45%と県内平均より高い。国からのワクチン供給不足を受けて5万人以上の予約を取り消したが、うち約4万人が高齢者。同市は米モデルナ製ワクチンを利用する集団接種会場への振り替えを進めているが、予約を取り直しても7月中には終わらない。中には遠い接種会場に行けず、近くのかかりつけ医での接種再開を待つ人もいる。

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