第74回カンヌ国際映画祭の各賞が現地時間17日夜(日本時間18日未明)に発表される。最高賞パルムドールを競う長編コンペティション部門にはレオス・カラックス(仏)、ウェス・アンダーソン(米)、ナンイ・モレッティ(伊)など世界の名だたる監督が並ぶ中、日本からは神戸とのゆかりが深い濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」がノミネートされている。公式上映での反応は上々で、主要賞受賞に大いに期待が高まる。(片岡達美)
■神戸が育んだ感性、花開くか
濱口監督は、是枝裕和監督が「万引き家族」でパルムドールをとった2018年の同映画祭に「寝ても覚めても」が同じくコンペ部門に初選出されていて、今回が二度目。昨年のベネチア国際映画祭では恩師である黒沢清監督(神戸市出身)と共同脚本の「スパイの妻」が監督賞に、今年3月にはベルリン国際映画祭で「偶然と想像」が審査員大賞(銀熊賞)に。今回も主要賞受賞となれば、世界3大映画祭で立て続けの高評価となり、「ハマグチ」は名実ともに新世代の日本を代表する監督になるだろう。
「ドライブ-」は村上春樹さんの短編集「女のいない男たち」に収められた同名小説が原作。同じく収録作の「シェエラザード」と「木野」の要素も加え、監督独自の解釈で脚色した。
秘密を抱えた妻(霧島れいかさん)の突然の死で、心にポッカリ穴が開いてしまった西島秀俊さん演じる舞台演出家が、新しく雇った愛車「サーブ900」の専属運転手(三浦透子さん)との出会いをきっかけに過去と向き合う。
厳選した言葉によるせりふ回しと丁寧な心情描写で人と人との深いところでの心のふれあいを見せてくれる。また、約3時間という長さを感じさせない密度の高さも実現。現地の評論家や新聞の支持を集め、カンヌでの公式上映後はスタンディングオベーションが長く続いた。
濱口監督は出世作「ハッピーアワー」(15年)を神戸で撮影。昨年の「スパイの妻」はその経験を生かし、物語の舞台を神戸に設定するなど、神戸との縁が深い。今回は原作が神戸育ちの村上さんということもあって村上さんの愛読者だけでなく地元市民の映画に寄せる関心も高い。
なにげない会話を重ねることで物語を紡ぎ、この世界の誰もが抱えている喪失と、そこからの再生を描くのが村上作品。各国語に翻訳され、国や文化の違いを越えたテーマの普遍性で世界中に読者を持ち、「ハルキスト」と呼ばれる熱心なファンも多い。ノーベル文学賞候補として毎年、名前が挙がり、常に注目されている。
それもあって映画に対する現地の反応には「村上さんの原作の力が大きい」と控えめなコメントをしていた浜口監督だが、小説の世界観、テイストを崩すことなく、独自の視点も盛り込んだところは見逃せない。
その一端は劇中劇「ワーニャ伯父さん」にも見て取れる。芝居に出演の俳優は韓国、中国、マレーシアなど多国籍で、中には耳の不自由な女優が手話でせりふを伝える場面もある。現代社会の多様性を身体で示しつつ、そこでの表現が言葉やコミュニケーションの質に及ぼす影響まで感じ取れるという仕掛け。コロナ禍に見舞われている今の時間とシンクロさせているところも見事と言うほかない。
今年3月、ベルリンでの受賞後に来神した濱口監督は「神戸での経験が監督としての精神的な基盤」と語った。神戸市出身の黒沢清監督の教えを受け、神戸で培われた感性が、同じく神戸育ちの村上氏の小説と出合って深みと広がりを獲得した。
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