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一時支援金の申請に対し資料の不備を指摘するメール=神戸市内(画像を一部加工しています)
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一時支援金の申請に対し資料の不備を指摘するメール=神戸市内(画像を一部加工しています)

 新型コロナウイルス禍による緊急事態宣言で影響を受けた中小企業や個人事業主などに国が支給する支援金について、何度申請しても「書類不備」を理由に受理されないケースが相次いでいる。具体的にどの書類が不足しているかは知らされず、10回以上申請して通らなかったケースもある。当初の「一時支援金」は既に受け付けが終わり、現在は要件がほぼ同じ「月次支援金」の申請を受け付けてているが、助けを求める事業者らは依然、高いハードルや不親切な対応に不信感を募らせている。(末永陽子)

 当初支給された一時支援金は、1月に発令された緊急事態宣言に伴う措置で、中小企業や個人事業主に最大60万円を給付。要件は、飲食店の時短営業か外出自粛などにより、2019年か20年に比べ21年1~3月の単月売り上げが50%以上減っている-ことだった。

 神戸市の女性(56)は長年、市内で喫茶店を営んできたが昨年来、外出自粛などで来客が激減。売上高が前年の3分の1にまで落ち込んだ月が続く。時短営業の対象ではないため、多くの支援制度も対象外。一時支援金を知って「これで助かる」と喜んだ。

 女性は取引先一覧など必要な書類をそろえ、税理士による事前審査を経て、5月13日に初めて申請。しかし、直後に資料の不備を指摘するメールが届いた。コールセンターに「何が不備なのか」と尋ねても「直接審査担当者につなぐことはできない。メールに書かれている以上は分からない」と言われるだけだった。

 その後、税理士らと相談しながら、必要書類とされていなかった開業届や戸籍謄本、飲食店許可証などもそろえ、さらに10回以上申請。それでも毎回、14日以内に修正を求める定型のメールが送られてきた。

 「国は本当に私たちを救う気があるのか」と女性。「申請を繰り返すうち、気がめいってしまった」と深いため息をついた。

■「不正防止のため」

 兵庫県商工団体連合会(神戸市兵庫区)には6月末までに、女性と同様の相談が約70件寄せられた。

 担当者は「現金商売をしている理容店や八百屋、喫茶店などが不備を指摘されているケースが目立つが、ではどうすればいいのかについては個々に説明する必要がある」と話す。

 一方、支援金を所管する中小企業庁の担当者は「要件を満たせば支給している」と説明する。書類不備については「同業種でも売り上げや規模が異なるため、提出書類は異なる。不正受給防止のため、売り上げや取引が分かる資料を厳正に求めている」とする。

 具体的な必要書類が明示されていない点については「短期間に決まった制度の中で多くの支援対象者に速やかに支給するため、個別に対応するのは困難。複数の定型文メールで対応している」と話した。

■高いハードル

 支援金の申請に関わる神戸市内の税理士は「現金商売をしている個人事業主は事業用と個人用の通帳が一緒というケースも多い。売り上げが減ったことを書類で完全に証明するのは難しい」。一時支援金は6月25日までに約40万件が給付されたが、税理士は「申請までたどりつけない事業主は多いのでは」と推測する。

 中小企業庁は6月から、売り上げが減った中小企業に最大20万円、個人事業主に同10万円を支給する月次支援金を受け付けている。

 だが、喫茶店を営む女性は「本当に支援が必要な人に届かない制度に何の意味があるのか」と憤った。

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