総合 総合 sougou

  • 印刷
内覧会でファンへの感謝と創作への思いを語った尼子騒兵衛さん=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
拡大
内覧会でファンへの感謝と創作への思いを語った尼子騒兵衛さん=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
仕事場を再現した展示空間を紹介する尼子騒兵衛さん。実際に使った机や画材道具が並ぶ=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
拡大
仕事場を再現した展示空間を紹介する尼子騒兵衛さん。実際に使った机や画材道具が並ぶ=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
落第忍者乱太郎のコミックスの表紙原画が並ぶ=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
拡大
落第忍者乱太郎のコミックスの表紙原画が並ぶ=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
リハビリ後の作品を飾るコーナーでは、久々知兵助をあしらったマンホールも登場。原画は2021年に描いた=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
拡大
リハビリ後の作品を飾るコーナーでは、久々知兵助をあしらったマンホールも登場。原画は2021年に描いた=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
落第忍者乱太郎の全キャラクターの原画紹介コーナーに見入る尼子騒兵衛さん=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター
拡大
落第忍者乱太郎の全キャラクターの原画紹介コーナーに見入る尼子騒兵衛さん=尼崎市昭和通2、尼崎市総合文化センター

 ほのぼのした忍術学園の世界観は尼崎で育まれた。猪名寺、食満、潮江…。漫画のキャラクターは地元の地名を名乗って躍動し、世代を超えて愛される。テレビアニメ「忍たま乱太郎」などを生んだ漫画家の歩みを紹介する「尼子騒兵衛展」が、兵庫県尼崎市総合文化センター(同市昭和通2)で開催中だ。少女時代からの作品など約1500点を展示。美しい配色の原画に加え、温かな笑いの神髄やあきらめない心を伝える。(小林伸哉)

 尼子さんは尼崎市の港町・築地の生まれ。長屋で暮らした「昭和の子ども」で、自身が乱太郎のモデルという。神社の境内などでたくさん遊んだ経験が、作品の中に反映されている。

 漫画「落第忍者乱太郎」(コミックス全65巻)は、室町時代の子どもが通う忍術学園の群像劇だ。ギャグが次々と炸裂し、助け合いが心を熱くする。尼子さんは忍者の秘伝書の復刻版を読み、忍術の名前は実際に伝わるものを記すなど、綿密な時代考証を重ねた。

 「地名って大切な文化遺産」。今も尼崎で暮らす尼子さんの持論だ。七松、善法寺、時友…。忍者に名付けられた場所を探して、全国のファンが尼崎を訪れ「地名めぐり」を楽しむ。

 少女時代から漫画家を夢見て、働きながらも描き続けた。1986年、朝日小学生新聞で同作の連載を始め、アニメ化作品「忍たま乱太郎」は93年からNHKで放送が続く。94年までは会社員生活と創作活動を両立させた。

 苦難も経験した。2019年1月、脳梗塞で倒れ、利き腕を含む右半身に後遺症が残った。同年12月に「落第忍者乱太郎」の連載を終えたが、リハビリを重ねて、20年4月から同新聞で古典文学を紹介する新連載に取り組んでいる。

 会場では、落第忍者乱太郎の全キャラクター630の初登場シーンを中心に原画528枚で紹介。絵と歴史が大好きな少女時代に描いた漫画やイラストは初公開だ。「いつか漫画家になれたらいいなという夢」の軌跡を見せる。リハビリの過程で描いた作品もあり、不屈の精神を伝える。

 尼子さんは会場で、ファンの応援に感謝し「よう描いたなあ。一歩歩いて見るごとに、懐かしさ、びっくり、しんどさ、楽しさを感じます」と振り返った。

 9月26日まで。火曜休館。一般当日1200円ほか。尼子騒兵衛展実行委員会事務局(尼崎市役所文化振興担当)TEL06・6489・6385。尼崎市内の尼信会館やあまらぶアートラボ、尼崎城などでも関連イベントを開催中。あまがさき観光案内所TEL06・6409・4634

    ■    ■

 尼子騒兵衛さんは開幕前日の内覧会に姿を見せ、インタビュー取材に応じた。

 -創作を振り返って。

 「テーマを決めるのが一番大変。決めたら、キャラクター自身が勝手に動き出す。(「落第忍者乱太郎」30巻を過ぎたころから)水面に石を投げたら波紋が広がるように、勝手に話が広がっていく状況でした」

 -作品ののんびりした雰囲気が魅力ですね。

 「悪役もあっという間に、おちゃめなおじさんになっちゃう。学園ものだけど、いじめがない。ファンの方が、ツイッターで『人の好きなことを否定しない。それが気持ちいい』と言ってくれた。人の身体的なことをけなさないようにしています。子どものころ、私は背が小さく、からかわれると、つらかったので」

 -会社勤めをしながら、漫画家を夢見て、あきらめずに描き続けた。子どもたちへのメッセージは。

 「自分の『好き』を見つけてほしいなあ。何か好きなことについて、とことん知ろうとしてほしい。すると、世界はどんどん広がる。私の場合は『絵』。時代劇や歴史も好き。時代に合った建物や風俗、着物を調べ始める。描くには全部調べないといけない。時間が足りなくなるぐらいの『好き』を見つけてほしい」

 -脳梗塞で倒れ、リハビリに励み、創作活動を再開した。心の持ちようは。

 「日常生活では、薄紙を1枚はがすぐらいの進歩を見つけて喜ぶ。『昨日はここまでだったけど、今日は手が届くわ』とか。ちょっとした発見がある。精いっぱいだけど楽しい」

阪神
総合の最新
もっと見る
 

天気(9月26日)

  • 26℃
  • ---℃
  • 40%

  • 27℃
  • ---℃
  • 40%

  • 27℃
  • ---℃
  • 40%

  • 25℃
  • ---℃
  • 50%

お知らせ