童謡「赤とんぼ」を作詩した三木露風(1889~1964年)に、宮沢賢治(1896~1933年)が生前唯一の詩集「春と修羅」を献本し、露風が感想を書いて返信していたことが22日、分かった。露風の故郷・兵庫県たつの市が所蔵する直筆ノートに経緯が記されていた。近代日本文学を代表する詩人の2人に交流があったことは知られておらず、発見した研究者は「生前は不遇だった賢治を露風が評価したことが分かる貴重な資料」と分析している。(直江 純)
露風のノートは、たつの出身の文人を顕彰する「霞城館」が所蔵。同館は今春、財団法人から市立施設として移管された。三木露風研究会代表で、日本大元教授の近藤健史さん(68)が所蔵資料を精査して賢治との文通が分かった。
露風は自分が出す手紙の文面を、詳細にノートに書き残す習慣があった。賢治への手紙は1924(大正13)年4月25日付。現在の北海道北斗市に修道院講師として赴任中だった露風が岩手・花巻の賢治に宛てて送ったと書かれている。
文面では、本と「御書面」を受け取ったとして「喜んで御受容れまします」と切り出し、「序文中に於て自分といふ者が現象で電流体の青き照明であると観られてゐることに就て私は善い賞讃を惜まぬ」「善い詩情を有つてゐるものと思ひます」と結んでいる。
当時の賢治は中央の文学界ではほとんど無名で、生前も詩人の草野心平(1903~88年)ら、ごく一部にしか評価されなかった。近藤さんは「露風は難解な序文に理解を示し、冒頭部の詩3編を称賛している。露風にほめられた賢治はうれしかったのではないか」と分析する。
露風は、賢治とやりとりする3年前の1921(大正10)年の雑誌8月号に「赤蜻蛉」を発表し、12月に出版した童謡集で現在の詩の文言に修正した。今年が100周年に当たる。近藤さんは「節目の年に露風の新たな逸話を発掘できて感慨深い」と話している。
たつの市は、直筆ノートなどの関連資料を、10月30日から霞城館で予定している作詩100年記念の特別展に出展する予定。
■宮沢賢治 岩手・花巻生まれの詩人・作家。生前刊行されたのは詩集「春と修羅」、童話集「注文の多い料理店」の2冊だけ。「春と修羅」には、妹の死を詠んだ「永訣(えいけつ)の朝」も掲載されているが、賢治が無名だったため初版千部がほとんど売れず、大半は賢治が引き取って一部は親しい人に贈った。現存するのは約40冊とされる。童話「銀河鉄道の夜」「風の又三郎」「セロ弾きのゴーシュ」や詩「雨ニモマケズ」なども代表作として知られる。
■三木露風 龍野藩士の家系に生まれ、明治末期から大正期を代表する象徴詩人。北原白秋と並び「白露時代」と呼ばれた。6歳で母(碧川かた)と別離し、子守の「ねえや」などへの郷愁を詠んだ「赤とんぼ」は北海道赴任時の作品。後年は東京・三鷹に住み、交通事故で死去した。生家は龍野城の重要伝統的建造物群保存地区の近くにあり、一般公開されている。霞城館は露風や哲学者・三木清ら地元出身の文人を顕彰する資料館。
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