特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)が関与した一般市民襲撃4事件で、福岡地裁が8月、殺人罪などに問われた同会総裁の野村悟被告(74)=控訴中=に死刑判決を言い渡した。全国最大の暴力団山口組(神戸市灘区)の分裂抗争が続く兵庫県の関係者も、直接証拠がない中で暴力団トップの刑事責任を認めた判決を評価する。約30年前、全国で初めて暴力団組長の責任を問う民事訴訟に携わった垣添誠雄弁護士(80)=同県尼崎市=は「立証や証人保護の過程で見えた成果は広く共有されるべき」と話す。
1985年9月、尼崎市の飲食店で、暴力団組員に向けて対立組織組員が放った銃弾が、近くにいた当時19歳の女性従業員の命を奪った。母親の故・堀江ひとみさん=2012年に77歳で死去=が、襲撃を指示した暴力団組長の責任を問うために頼ったのが、今は暴力団追放運動の専門家として知られる垣添弁護士だった。
「前例もなく司法関係者の反応は総じて否定的だったが、彼女の熱意に押されて代理人を引き受けた」
92年、組長に損害賠償を求めて提訴し、実行犯に対する民法上の「使用者責任」が存在すると訴えた。度重なる組関係者の脅迫にも屈することなく、組長側が4千万円を支払う条件で95年に和解した。
一市民が組織に立ち向かう姿は後に盛り上がる暴追運動の象徴となる。垣添弁護士は「まさに先駆者。あの訴訟により、組織犯罪でトップの責任を問う手法が確立された」と振り返る。ただ「人権を制限する刑事責任の立証はこれまでハードルが高かった」とも言う。
歴史的な和解決着から26年。野村被告らの公判で検察側は、元組員の証言などから上位者の指示を絶対とする工藤会の組織構造を立証。直接証拠はなく、弁護側は全面的に無罪を主張したが、判決は4事件全てで間接証拠から関与を認定できると判断した。
垣添弁護士は「組織の報復を恐れる元組員に証言させ、協力者や被害者を守った。海外のような組織犯罪への捜査権限、証人保護の仕組みもないが、福岡は現行制度の中でやり遂げた」と強調する。
一方、山口組の分裂抗争は兵庫などを舞台に7年目に突入した。警察庁によると、全国では計149件の抗争事件が発生しているが、組上位者の関与を裏付けた捜査は極めて少ない。
暴力団対策に携わる兵庫県警の捜査員は「犯罪の実行にトップの判断が欠かせず、意思決定の仕組みが明確という点で、工藤会は特殊な組織だ」と指摘する。その上で「間接証拠の積み上げで、事件への関与を認めた司法判断がなされたことは大きい。山口組など他組織もうかつに抗争事件が起こせなくなり、一定の抑止になるかもしれない」と期待した。
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