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入念かつ手際良く整備されたグラウンドは、利用者からの評価も高い=姫路市飯田
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入念かつ手際良く整備されたグラウンドは、利用者からの評価も高い=姫路市飯田
雨が続いた今夏の全国高校野球選手権大会では、「“神”整備」が改めて注目された=西宮市の甲子園球場
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雨が続いた今夏の全国高校野球選手権大会では、「“神”整備」が改めて注目された=西宮市の甲子園球場

 この夏、兵庫県西宮市の甲子園球場で2年ぶりに開かれた全国高校野球選手権大会。異例の長雨に悩まされる中、ファンらの間で「“神”整備」と称賛されたのが、グラウンド整備を担う阪神電鉄の子会社・阪神園芸(西宮市)だ。同社は同県姫路市や高砂市の公立球場などでも整備を請け負い、スタッフが常駐する。「聖地」で培った確かな技術は地方球場にも生かされている。(山本 晃)

 8月下旬、軟式野球の全国高校選手権が開かれたウインク球場(姫路市飯田)。第1試合が終わると、すぐに整備スタッフがグラウンドに現れた。トラクターが往復し、打席周辺や守備で荒れやすい箇所は念入りにトンボをかける。散水やライン引きが終わると、次の試合に出るチームのシートノックが始まった。この間わずか15分。無駄な動きは一切ない。

 球場を管理する姫路市まちづくり振興機構によると、阪神園芸に委託を始めたのは2009年。兵庫県内の業者であり、近くの高砂市野球場(高砂市米田町島)でも前年から業務を受託するなど、豊富な実績が選定の決め手になった。整備には同機構の職員も加わり、合同で作業を進める。

 丁寧な仕事は試合前から始まる。まずはグラウンドを歩き、芝や土の状態を入念にチェックする。前日の天候によっても整備内容は異なり、今春からウインク球場に常駐する藤井秋博さん(26)は「休みの日も天気予報とにらめっこしています」。試合後にはトラクターで土を掘り起こしたり、ローラーで土を再度踏み固めたりする。

 プロの本拠地でもある甲子園球場と異なり、ウインク球場でプレーするのは大半がアマチュア選手。ローラーで踏み固める際には、社会人野球なら固めに、ボールがバウンドしやすい軟式野球なら柔らかめにするなど、利用者に合わせて最適な舞台を仕上げる。

 藤井さんが感じる地方球場の魅力は選手との近さ。「いい整備だね」「楽しく試合をさせてもらいました」。そんな声を聞くたびにやりがいを感じる。

 雨が続いた今年の甲子園では、阪神園芸の職員たちが素早い水抜きや泥の除去、マウンド周辺への土の補充などで熱戦を支え、手際の良さが改めて注目された。藤井さんは「私たちが各球場の魅力の一つになればうれしい。これからも選手に喜ばれる整備を目指したい」と話す。

■40年超の経験、年150件請け負い

 阪神園芸は1979年から甲子園球場の整備を担当。40年余りの経験を生かし、甲子園以外の球場やスポーツ施設の手入れを担当する部署も2013年に新設した。姫路や高砂を含め、年間で約150件のグラウンド整備や芝生管理を請け負う。その職人技は、姫路市のウインク球場を利用する関係者をうならせる。

 姫路早朝野球連盟理事長で、高校野球の審判も務める吉田正信さん(69)は「雨でも甲子園のようにすぐに水が染み込む。イレギュラーバウンドも起こりにくく、選手や指導者の評価は高い」。スポーツイベントを誘致する「ひめじスポーツコミッション」の竹垣内(たけがきうち)加奈さん(37)も「立地の良さとともに、整備は球場の売り」と話す。

 水はけが良い一因は土にある。使うのは甲子園球場と同じ鹿児島県産の黒土で、阪神園芸から購入される。別に仕入れた砂も混ぜるため甲子園と全く同一ではないが、黒土と言えば、敗れた球児が持ち帰るシーンが浮かぶ。果たして、ウインク球場の土も持ち帰ることはできるのだろうか-。

 球場を所有する姫路市に問い合わせてみると、担当者は「土の購入は市民の税金が充てられていて、可能かどうかは一概に言えない」と回答。ちなみに、過去に土を持ち帰ろうとした事例は聞いていないという。(山本 晃)

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