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築94年になる豊岡劇場の前に立つ石橋秀彦代表=豊岡市元町
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築94年になる豊岡劇場の前に立つ石橋秀彦代表=豊岡市元町
1950年ごろに豊岡劇場前で撮影された豊岡高校演劇部の生徒ら(豊岡劇場提供)
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1950年ごろに豊岡劇場前で撮影された豊岡高校演劇部の生徒ら(豊岡劇場提供)
大高健志社長
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大高健志社長

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、来館者が激減した但馬地域で唯一の映画館「豊岡劇場」(豊岡市元町)が、起死回生の一手として映画配信事業に乗り出す。ライバルの動画配信サービスは巣ごもり需要で定着しつつあり、収束後、来館者の回復も見込みにくい。ミニシアターらしい厳選した1本を家庭に届ける配信事業で、但馬の映画文化の存続を狙う。

 同劇場は1927(昭和2)年に開業。芝居小屋、社交ダンス場、映画館と変遷しながら、大衆文化の場として地域で愛されてきた。2012年にいったん閉館したが、現代表の石橋秀彦さん(52)ら住民グループが復活させた。

 入場者数は16年まで年間5千~6千人だったが、17年に1万人を超え、19年には約1万8千人と順調に増加。赤字を脱する目前だったが、コロナの影響で20年は約8千人に落ち込んだ。

 外出自粛は映画館に逆風となり、自宅で最新作も見られる動画配信サービスが「脅威」となった。石橋さんはコロナの収束後も元には戻らないと危惧。売り上げを補うため、あえて配信事業への挑戦を決意した。

 配信事業は10月に開始予定で、クラウドファンディング(CF)サイト運営の「モーションギャラリー」(東京)が展開するプラットフォーム「ベーシック」の動画配信機能で実施。1カ月に映画2本を提供し、1本1200円と2本2400円の2コースを設ける。利用者は入会してアクセスすると作品1本につき48時間何度でも視聴できる。

 映画は従来通り同劇場が選び抜いた作品を配給会社から仕入れて配信する。既に配給会社に協力を求め、賛同した数社から承諾を得ているという。劇場にある大小二つのスクリーンに加え、第3、第4のスクリーンを仮想空間に立ち上げ、上映するイメージという。

 「見てほしい作品を届けることが映画館の役目」と石橋さん。「割高と思われるかもしれないが、映画館の存続への支援として捉えてほしい」とも。劇場に足を運んでもらうため、配信には全国ロードショーが終了した旧作を選ぶという。

 現在、配信事業に必要な初期運営費などをモーションギャラリーのCFサイトで募っている。10月21日までで目標額は330万円。ドリンクチケットなどを返礼品として贈る。

 石橋さんは「地方の映画館が全国にファンをつくるきっかけになるかもしれない。成功すればノウハウを伝え、ともに生き残っていきたい」と話す。(石川 翠)

小規模館の生き残り支援に基金

 豊岡市の映画館「豊岡劇場」が配信事業で使うプラットフォーム「ベーシック」は、クラウドファンディング(CF)サイトを運営する「モーションギャラリー」(東京)が今年1月に新たに立ち上げた。

 同社は、コロナ禍で経営が悪化した小規模映画館を支援するため、映画監督の深田晃司さんや浜口竜介さんらによる「ミニシアター・エイド基金」を手掛けた。同基金には約3万人から約3億3千万円が集まり、豊岡劇場を含め100を超える映画館に約300万円ずつ分配した。

 同社の大高健志社長(38)は「コロナ禍で映画館の苦境が続く中、単発のCFとは別に継続的な支援の集め方も重要。月額型の仕組みをつくろうと考えた」と新規事業の経緯を説明。「ベーシックインカムのようなものとして、活動の基盤を支えるものに発展できれば」と話す。

 プラットフォームを活用し、配信事業に取り組むのは豊岡劇場が第1号で、他にも検討しているミニシアターもあるという。大高社長は「新たな仕組みで地域の映画館を支え、映画館同士のつながりも生まれれば」と期待する。(石川 翠)

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