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明石市立市民病院の阪倉長平院長
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明石市立市民病院の阪倉長平院長

 新型コロナウイルス感染が兵庫県内で初めて確認され、1年半が過ぎた。感染拡大の波は5度押し寄せ、県内で7万人を超す感染者と、1300人を超す死者が出ている。不安、混乱、逼迫(ひっぱく)、崩壊…。この「五つの波」に挑むキーマンに課題と展望を聞いた。(霍見真一郎)

 -コロナ病床は満床状態になっていると聞く。

 「上限の23人を受け入れているが、17人は軽症で、酸素が必要な中等症2は2人だけだ。感染『第5波』は、数は多いが、ワクチンと抗体カクテル療法のおかげで悪くなる人が少ない。ワクチンを打っていても感染している人はいるが、重症化した人はいない。入院患者は比較的若い人が中心なので平均入院日数が短く、病床の回転も速い。また、抗体カクテル療法は、革命的と言えるほど有効。これまではステロイドなどによる対症療法しかなかったが、抗体カクテルという治療薬が手に入り、手応えを感じている」

 -なぜコロナ患者を受け入れることになったのか。

 「昨年春、兵庫県内で最初の感染者が出た後、明石市内の医療関係者で、今後どこに入院させるか話し合った。どの医療機関も敬遠する中、新興感染症を診る責任は公的病院が担わなければならないと考えた。当病院は、新型インフルエンザの患者が発生したときの対応訓練を毎年行っていたが、感染症患者を入院治療した経験はなかった。そこで、すでにコロナ治療をしていた県立加古川医療センター(加古川市)に見学に行き、ノウハウを学んだ。当病院は建物が古く、動線分離もままならなかったが、一番上階の端の病棟50床を使ってコロナ病床を作った」

 -軽症・中等症に対応する病院なのに、重症患者も治療した。

 「4波は重症化した患者を転院させることができず、人工呼吸器をつけた人も4、5月だけで計5人いた。亡くなった方もいたが、初めて使った人工心肺装置ECMO(エクモ)で助かった若い患者もいる。当病院で同時に人工呼吸器管理ができるのは2人までだが、重症患者のケアには集中治療のできる看護師らが大量に必要であるため、救急車を受け入れられない時期が続いた。4波ではコロナ病棟に隣接する場所で院内クラスター(感染者集団)が発生し、職員を休ませないといけない期間もあった」

 -この1年半で見えてきた課題とは何か。

 「感染症に強い病院にするために2点必要なことがある。一つは動線分離やゾーニングが簡単にできるよう、病院の構造を再考すること。もう一つは、有事に備え、感染症に対応する訓練や教育を、平時から職員に行うことだ。また、最近まで明石市内唯一のコロナ患者受け入れ病院だったが、限界を感じた。当病院のような中規模公立病院は、感染症対応と従来の急性期医療を両立させることが重要。新たな感染を見据え、軽症者を受け入れる病院をいくつかほかに決めておき、中等症患者は当病院が対応するなど、体制の見直しを急がねばならない」

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