菅義偉首相は16日、就任から1年を迎えます。政権発足当初から新型コロナウイルスの対応に追われ、今月退陣を表明しました。自民党総裁選を経て、日本のかじ取りは新しい首相に託されます。未曾有の危機に直面する中で、求められるリーダー像とは何か。
■新型コロナウイルスに感染した兵庫県明石市出身のフリーアナウンサー、赤江珠緒さん(46)
--コロナ禍はまだ続きます。次の首相に求めたいことは何ですか?
私は今回の総裁選に限らず、政治家の方、日本のトップの方に、理想として求めたいことがあります。それは、敵を味方に出来る能力。敵対する人を味方にする能力がある人にやってほしい。それが政治家として最高の能力だと思います。
どんどん敵を作るのは言語道断です。意見は人それぞれ違うし、新型コロナも、どれぐらい怖がるか、どれぐらい感染対策するかは、個人個人で違う。それによって分断したり、敵だ味方だみたいに分かれてしまうのは簡単だけど、本当はみんなに協力してもらわないとできないことがありますよね?
意見が違う人にも『なるほど、やってみよかな』『この人が言うなら』と思わせたりして、敵を味方にできる人が一番強いと思います。外交もそうです。それが、究極の理想です。
--味方にするための武器は言葉ですか?
言葉だけじゃないと思います。本当に感情がこもっている時は、言葉が何一つ出てこなかったり、目だけで物を言ったり、涙しか流れない時もありますから。言葉が万能だとは思いません。言葉がいくらしゃべれても、それがベストではないと思います。
態度と心根、言葉がリンクしたときが、一番大きな力になると思います。
--この1年間、菅首相は、記者会見などで発信するたびに、支持率が下がっていった印象があります。メッセージの発信という面で、良くなかった点は何だと思いますか?
メッセージが届いてたか?というと、残念ながら届いていなかった、と思います。発信を受け止めた側の感想が、世論でたくさん出ていますが、心はどんどん離れてしまっています。
難しい言葉じゃなくてもいいので、総理が自身の言葉で、こういう状況です、とか、できないなら『なぜできないのか』を語ってほしかったと思います。ワクチンがないのはなぜなのか。なぜ我慢しないといけないのか。予定通りにいかないのはなぜなのか…。それが知りたかった。『なぜ』に納得できる形で話をしていたら、結果は違っていたかもしれません。
--赤江さん自身のメッセージの発信について考えを聞かせてください。赤江さんの夫が新型コロナに感染し、自宅で待機していた昨年4月、TBSラジオの番組「赤江珠緒たまむすび」のリスナー宛てに手紙をつづりました。
〈我が家の場合は親が共倒れになった場合の子どもの面倒は誰がみるのかという問題があります〉
〈コロナを忌み嫌うあまり、この病の本来の致死率以上の怖さを、この病に与えてしまってはいけないのでは…〉
--手紙の内容は大きな反響を呼びました。そしてその後、自身も感染が判明し、肺炎をおこして入院。療養中も、仕事に復帰後も、自身の症状や治療の実態などについて詳しく話をしてきました。赤江さんが発信する上で、一番に心掛けたのは何でしたか?
私は普段から、不特定多数に向かってしゃべる仕事をしていますが、伝えることについては、相変わらず試行錯誤です。ただ、何より、自分が本当に言いたいこと、思っていることがあるときは、しゃべることがうまい、ヘタにかかわらず、熱量というか、心にどれだけ着火できているかが大事だと、私は思っています。
心に火が着いていて、これはどうしても言いたいことがあるときは、どんなにしゃべりがヘタな人でも思いが伝わると思っています。
コロナに感染した時は、これは世の中に伝えた方がいいという思いが強くありました。とにかくあの当時(昨年4月)は、病気になった人とほかの人を離さないといけない、という世界だったので、取材する人たちも、病院に近づけない状況でした。現場の先生(医師)たちのリアルな声が出ていませんでした。私はたまたま患者になったことで、先生と話す機会があり、これを伝えたい、という熱量がありました。
ただ、何でもかんでも発信すればいいわけじゃないんですよね。これが発信したい、表現したい、があって、それを分かりやすく伝えるためには、一度、客観性を持って、自分の意見を俯瞰することが必要になってきます。
感染してつらいです、とか、不幸ですとか、ネガティブな感情だけにとらわれてしまうと、全体像が伝わりにくくなってしまいます。情の部分は熱量としてこめながらも、一回、洗い流すことが大事だと思います。
--感染して、あらためて感じたことは何でしたか?
あの時は、今とは状況が違いました。感染して亡くなったら、お葬式もあげられない、会うこともできない。完全に孤立してしまう病気でした。今よりもっと、会えない状況でした。
「コロナってどういう病気なの?」ということが伝わらないまま、恐れられていました。おばけといっしょで、イメージだけで、どんどん怖さが膨らんでいって、それは怖いことだと思っていました。怖い病気なら一体どんなところが怖いのか。輪郭をしっかりすることが、過度に恐れないために、必要なんじゃないかなと思いました。
--「伝える仕事」をする上で、人の心を動かす工夫は何ですか?
熱量だけだとやっぱり、自分だけが盛り上がっている可能性もあります。どういう方々に届けたいのか。私は、その人達の顔を思い浮かべる作業をしています。
ラジオのリスナーの人と会う機会があったり、手紙をいただいたりするので、そういう人がこういう状況で聞いて下さっていると、想像するようにしています。そして、その人たちがそういう状況だから、伝えるにはどうしたらいいかを考えます。
--赤江さんは、過去のインタビューで、「感受性と想像力」を大切にしていると言っていました。
そうですね。よく知っている人間同士だと誤解があっても通じ合うけれど、不特定多数の人とコミュニケーションをとりたいときは、感受性と想像力が求められていると思います。
それができたからといって、必ずしも受け手が受けてくれるとはこれまた限らないのですが…。ここまでやったんだから、こう受け止めてくれるだろう、というのは、すごくおごりだと思います。発信する側として、できる限りのことはやるけれど、あとは受け手に任せます。
--不特定多数へのメッセージの発信という意味では、アナウンサーも政治家も共通する部分があると思います。平時の発信と、コロナ禍や災害時の発信は、異なりますか?
平時と、災害時に限らず、お天気一つでも変わると思います。ずっと雨が降っていて、長雨がうっとおしいだろうな、と思うと、さらにうっとおしい話しをしてどうする、とか。
ラジオ番組を、なんとなく日常に寄りそう番組にするには、お茶席の主人みたいな心持ちが必要だと思っています。お茶席の主人は、空間をその日、その日に合うように、来た人が心地良くなるように、掛け軸はこうしようとか、花はこうしようとか、心を砕いていますよね。それと同じことがトークでも必要です。
コロナ禍ではみなさん、普段とは違う生活をしていて、つらい状況の人がいる。災害時もそうですが、発信にはもっともっと心を砕かないといけないと思います。
(中島摩子)
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