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甲南大文学部教授の星敦士さん
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甲南大文学部教授の星敦士さん

 菅義偉首相は16日、就任から1年を迎えます。政権発足当初から新型コロナウイルスの対応に追われ、今月退陣を表明しました。自民党総裁選を経て、日本のかじ取りは新しい首相に託されます。未曾有の危機に直面する中で、求められるリーダー像とは何か。

■社会学が専門の星敦士・甲南大教授(46)

--菅首相の国民へのメッセージが伝わりにくかった、という有権者の声があります。

 記者会見を通じた国民とのコミュニケーションという視点から見れば、菅首相は「この場面でこういう表現をすれば(国民に)不快な思いをさせる」といった感度が鈍かったと思います。さまざまな立場に置かれた人たちに、どう言えば伝わるのかという想像力があまりにもなかった。同じことを、井戸敏三・前兵庫県知事(76)の任期後半にもよく感じました。個人の資質だけでなく、年齢も影響しているのかもしれません。

 選挙というものがありながら、なぜこうした人が首相になれるのか。それは、日本では、他者に分かりやすく伝えるという能力が首相を選ぶプロセスで重視されていないからです。自民党に限らず、日本社会が抱える問題でもあると感じます。

--首相には、記者会見などを通じてメッセージを発信する機会はたくさんあったと思うのですが。

 記者会見のあり方にも課題を感じます。近年、世の中には質の高いデジタルコンテンツがあふれ、メッセージの伝え方がうまいかどうかが、ものすごく可視化されました。ところが、首相会見を見ても、首相があの場で何を伝えたいのかが分かりにくいままでした。記者は追加質問ができない仕組みになっており、議論が全然深まりません。質疑応答がかみ合わず、首相が聞かれたことをきちんと理解しているのか、不安になる場面もありました。

--国のリーダーとして、菅首相をどう評価しますか?

 その評価は難しいです。有権者が置かれた状況によって、行政が取り組んだことにする感度が異なるからです。これだけさまざまな形で格差が存在する中では、「首相が誰がなってもしんどいよね」ということになるのではないでしょうか。有権者側には、ドラスチックな変化があった場合に「リーダーシップがある」と捉える向きがありますが、リーダーシップがあるかどうかの評価は、そう単純ではありません。

--次期首相に求められるものはどんなことでしょうか。

 コロナ禍で格差は広がっており、首相には、さまざまな立場にある国民へのメッセージの伝え方だけでなく、立場が異なる人たちの声を聞く力も求められています。そもそも、われわれの代表である、国会議員の年齢や性別が、高齢男性に偏りすぎています。年齢と性別で一定の割り当てを決める「クオータ制」の導入などで、国会を社会の縮図に近づけていくべきだと思います。

(石沢菜々子)

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