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淡路沖で事故を起こした水上バイク=9月15日夜、淡路市岩屋
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淡路沖で事故を起こした水上バイク=9月15日夜、淡路市岩屋
水上バイクが行き来する淡路島の北部沿岸=淡路市岩屋沖(撮影・内田世紀)
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水上バイクが行き来する淡路島の北部沿岸=淡路市岩屋沖(撮影・内田世紀)

 今月中旬、兵庫県淡路市沖で水上バイクが岸壁に衝突したとみられる事故で、男女3人が亡くなった。水上バイクをめぐっては、明石市沖で今夏、遊泳者のそばを猛スピードで走る危険運転があったとして、市が操縦者を殺人未遂容疑で刑事告発するなど、規制強化の議論が高まっている。どんな問題が起きているのか。周辺を取材した。(井上太郎)

■岸から3.7キロ以内

 水上バイクは1~3人乗りが標準の小型船舶で「ジェットスキー」とも呼ばれる。100万~200万円台が標準だ。

 操縦に必要なのは「特殊小型船舶操縦士」の免許。学科と実技試験があるが、最短なら2日程度と、比較的短期で取得できる。

 水上バイクで走れる場所は原則、岸から2カイリ(約3・7キロ)以内。ただし、沿岸でも「乗り始めた地点」から15カイリ(同27・8キロ)以上離れてはいけない、と定められている。

 神戸海上保安部によると、現行の水上バイクにはカーナビのような走行位置の表示や記録機能がないため、航行区域の順守は操縦者の「感覚」頼みだ。

 その上、速度規制もないという。「道路と違って海には何の線も引かれていない。全てがあいまいな環境で、操縦者の気が大きくなってしまうのでは」とみる。

■「見せたくて」

 淡路市沖の死亡事故、明石市沖の危険走行はいずれも沿岸で発生した。考えてみると、他人を危険にさらす場面は、遊泳者や釣り客がいる沿岸部でこそ起きやすいはず。沿岸で乗るように促すこと自体、事故防止の目的と相反するのでは…。

 神戸海保の担当者は「それも一理ある」とうなずきつつ、規制の主な理由に「漁業への影響」を挙げる。

 例えば神戸や明石市沖の瀬戸内海では「明石海峡航路」が通っている。貨物や旅客を含む船の通行量は国内屈指で、漁船も多く往来する。水上バイクが沖合に出れば、沿岸よりも多くのトラブルが懸念される、というわけだ。

 ちなみに、ある県内自治体の担当者のこんな指摘もある。「かっこいい姿を他人に見せたくて乗る人が多い。水上バイクはどのみち、沿岸を走る」

■「全国ルールを」

 ただ、沿岸ならどこでも水上バイクが走れるかというと、そうではない。

 兵庫県は条例で、海水浴場の遊泳区域への乗り入れを禁止。遊泳区域に限らず、ほかの利用者に危険を生じさせた場合は20万円以下の罰金を規定している。

 県内市町で独自に規制をかけるのが神戸市だ。騒音苦情も背景に2012年度、「須磨海岸を守り育てる条例」を改正し、水上バイクの禁止条項を設けた。内容は県条例と重なるが、担当者は「より積極的に注意できる」と意義を強調。運搬した水上バイクを海上に降ろせそうな岸にオイルフェンスや玉ブイを設置し、物理的な侵入阻止も図っているという。

 淡路市沖の死亡事故を受け、県は条例に罰則強化を盛り込む議論を始めた。必要があれば国に法規制を求める考えだ。

 神戸海保の担当者は「地域ごとに規制内容が違うと操縦者は混乱する。本来、全国的にルールが統一されるべき」とする。

■密回避で人気

 規制が取りざたされる水上バイクだが、新型コロナウイルス禍で3密を回避できる屋外レジャーの一つとして人気を集める。

 日本海洋レジャー安全・振興協会(横浜市)によると、20年度に水上バイクの免許を取得した人は前年度比26・7%増の2万2346人。ここ10年ほどの減少傾向が一転、急増した。

 レジャーを楽しむ権利を守りつつ、事故防止に知恵を絞る施設もある。

 大阪府貝塚市の「二色の浜公園」は、水上バイク専用の「ゲレンデ」を沿岸に整備。定期的に安全講習を開き、啓発にも力を入れている。

 管理運営する「マリンスポーツ財団」(東京)は、明石市が9月に開いた水上バイクの安全対策会議に加わった。神戸海保の幹部は「重大事故の防止は急務だが、排除するのではなく、安全に楽しめる環境整備が重要」と強調している。

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