
「神戸市兵庫区で、見たことのないデザインのマンホールのふたを見つけました。調べると、中央のマークが伊丹市の市章にそっくりなんです」。神戸新聞社の双方向型報道「スクープラボ」に、兵庫区の女性から投稿が寄せられた。取材を進めると、意外な理由が見えてきた。(大橋凜太郎)
神戸市内では見かけないマンホールのふたがあったのは、神戸市兵庫区の幹線道路「大開通り」の西行き沿い歩道(大開通3)。
周辺には神戸市章をあしらったふたが並ぶが、オフィスビルの前に、約20メートル間隔で二つだけ、受話器が隣り合っているようなデザインが中央に配されたふたがあった。
ただ、一見して違いが分かるほどデザインに差があるわけではない。
小皿など円形のものにあしらわれた模様が好きという投稿者の女性は最近、マンホールのふたを眺めながら歩くのに夢中だった。
「こんな模様はこの辺で見たことがない」と、違いに気付いたという。
ネットで調べると、伊丹市の市章にそっくりだった。
◆
女性の観察眼によって暴かれた「兵庫区に伊丹市のふた」問題。まずは伊丹市のふたで間違いないかを確認するため、伊丹市上下水道局に画像を送り、確認してもらった。
担当者から「確かに伊丹市のもので間違いない。ただ、市が設置したものではない」との回答を得た。
続いて神戸市建設局中央水環境センターに確認した。担当者は「正確なことは調べないと分からない」としながらも、「大開駅周辺は阪神・淡路大震災の被害が大きく、大規模な復旧工事が行われた。神戸市のふたが不足し、施工業者が伊丹市のふたを仮置きした可能性は大いにある」との仮説を示してくれた。
◆
約2週間後、センターから調査結果がもたらされた。担当者は「裏付けの資料はなかったので断定はできない」と前置きしつつ、関係者への聞き取りなどを踏まえ、仮説を肯定した。
現場付近は1995年1月17日の震災発生時、地下にある大開駅のコンクリートの柱が折れ、一帯の道路が陥没した。
大規模な下水道工事が行われたことで神戸市のふたが不足し、「施工業者が下水機能の復旧を優先し、伊丹市のふたを置いたとみられる」という。
「震災に伴う工事は広範囲だったから、仮置きしたふたの交換が後回しになり、忘れられたままになっているのでは」とも推測した。
兵庫区の珍風景は図らずも、大震災の痕跡として、被害の大きさを今に伝えていた。
◇
神戸新聞社は、読者の投稿や情報提供を基に取材を進める双方向型報道「スクープラボ」に取り組んでいます。身近な疑問や困りごとから、自治体や企業の不正告発まで、あなたの「調べてほしい」ことをお寄せください。LINEで友だち登録(無料)するか、ツイッターのダイレクトメッセージで投稿できます。皆さんと一緒に「スクープ」を生み出す場。ご参加をお待ちしています。
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