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旧居留地にあるスタインウェイの「D‐274」=神戸市中央区浪花町
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旧居留地にあるスタインウェイの「D‐274」=神戸市中央区浪花町
旧居留地にあるスタインウェイの「D‐274」=神戸市中央区浪花町
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旧居留地にあるスタインウェイの「D‐274」=神戸市中央区浪花町
エコール・リラに設置されたヤマハの「CF」=神戸市北区藤原台中町1
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エコール・リラに設置されたヤマハの「CF」=神戸市北区藤原台中町1
エコール・リラに設置されたヤマハの「CF」=神戸市北区藤原台中町1
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エコール・リラに設置されたヤマハの「CF」=神戸市北区藤原台中町1

 玄人はだしの演奏が始まると、道行く人も足を止める神戸市の「ストリートピアノ」。2019年から駅や商業施設で設置が始まり、現在28台まで増えたが、この中には長年コンサートホールで活躍したフルコンサートグランドピアノ(フルコン)が2台ある。芸術品にも例えられる楽器をその手で奏でようと、愛好家らが訪れている。

 フルコンは、メーカーが厳選した素材と熟練の職人技で1台ずつ作り上げる最高級のピアノで、代表格のスタインウェイ「D‐274」の価格は新品で2千万円以上。ピアノの音質や音量は響板の大きさや弦の長さが関係し、奥行きが270センチ以上あるフルコンはフルオーケストラにも負けない存在感を発揮する。

 神戸市がストリートピアノとして設置する2台は、1971年製のヤマハ「CF」と、73年製のスタインウェイ「D‐274」。神戸文化ホール(同市中央区)などで長年使われてきたが、18年のピアノ更新に伴い、いずれも現役を引退した。

 ジャズやフルートとゆかりが深い同市は19年、「音楽のまち」にふさわしい取り組みとして、ストリートピアノ事業を始めた。大半は幼稚園や小学校の統廃合で余った小型のアップライトピアノを充てたが、役目を終えたフルコン2台も「ストリートピアノの目玉に」と白羽の矢が立った。

 フルコンはフレームや音量が段違いに大きいため、条件に合う場所を慎重に検討し、CFは19年10月、ショッピングセンター「エコール・リラ」(同市北区藤原台中町1)へ。D‐274は20年6月、旧居留地にある三井住友銀行神戸営業部(同市中央区浪花町)に置いた(現在修理中で近く利用再開予定)。

     ◇

 エコール・リラのCFを演奏していた同市北区のピアノ講師境将さん(34)は「自宅では近所迷惑にならないよう電子ピアノの音量を下げて弾くけど、ここはドーンと音が響いて気持ちいい」と話す。

 目の前に高級ブランド店が立ち並ぶ旧居留地のD‐274も人気だ。「めったに触れないピアノ。弾いたときの感覚や音の響きが普通のピアノと全く違う」と、同市中央区の会社員(37)。ピアノに置かれた自由筆記のノートには「人生で初めてスタインウェイを弾きました」という書き込みもあった。

 スタインウェイ・ジャパン(東京)の担当者は「スタインウェイのフルコンを、ストリートピアノとして使う例はほとんど聞いたことがない」と驚きを隠さない。一方、ヤマハ(静岡県浜松市)によると、佐賀県や山形県にはCFやCF3のストリートピアノがあるといい、担当者は「高根の花のフルコンを身近に感じ、弾くことは、誰にとっても貴重な経験になるはず。楽器の前に座って景色を眺めるだけでもピアニスト気分を味わえるのでは」とコメントした。

 フルコンは非常に繊細な楽器で、湿度や温度を24時間一定に保つピアノ庫で保管することが必要とされる。2台はいずれも屋根付きの屋外に設置されており、ピアノにとっては過酷な環境。市は調律の頻度を増やすなど、重点的にメンテナンスしているという。新型コロナウイルスの感染対策のため、使用前の手指の消毒なども呼び掛けている。(長谷部崇)

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