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記者会見後、親族と談笑する米プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎さん=5日、米ニュージャージー州
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記者会見後、親族と談笑する米プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎さん=5日、米ニュージャージー州

 米プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎(しゅくろう)さん(90)がノーベル物理学賞を受賞することが決まり、環境問題に取り組む兵庫県内の関係者からは「地球温暖化への危機意識が高まる」と期待する声が上がった。

 「世界の注目を浴びる受賞で、兵庫での活動にも追い風になる」と喜ぶのは兵庫県地球温暖化防止活動推進センターの小塩浩司センター長。各家庭への省エネ診断や出前教室などで、温暖化防止の普及を進める。

 同センターでは2050年までに温室効果ガスの排出を兵庫全体でゼロにすることを目標とするが「活動の根拠になる研究が世界的に認められた。大変誇らしく、興奮を持って受け止めている」と話した。

 阪神間の中学生とともに、尼崎運河の水質改善や森づくりの活動をするNPO法人「人と自然とまちづくりと」の中岡禎雄理事長(56)は「北海道で赤潮が確認されるなど、地球は危機的な状態。ノーベル賞で『温暖化』というキーワードが身近に感じられる」と喜んだ。

 自民党の総裁選では「環境問題への言葉があまり聞こえてこない」と気になったという。自身の活動は「人にも自然にも優しくなれる子どもを育てる」ことを重視してきた。「みんなが行動することで大きな波になる。受賞を機に『このままではいけない、やるべきことがある』と話題にし、未来につなげていきたい」と意気込んだ。

 神戸市の市民団体「北こうべネット」の代表を務める山本茂さん(63)は、あいな里山公園(同市北区)を拠点に、地域のイベントなどで親子らと工作をしながら、ごみの分別やリサイクルなど家庭でできる地球温暖化防止の活動を呼び掛けている。

 真鍋さんの受賞について「地球温暖化に光を当てる研究。どのような方法で、どのぐらい二酸化炭素を減らせばいいのか。具体的な活動に結び付けていきたい」と話す。真鍋さんが米国で研究を続けていることには「企業や政府の支援があれば、国内でさらなる研究ができただろう。温暖化防止のヒントを持った研究者が海外に行ってしまっているのは残念」と話した。(小谷千穂、高田康夫)

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