日本新聞協会は6日、2021年度新聞経営賞に、神戸新聞社の「地エネの酒 for SDGs プロジェクト」(代表・経営企画部専任部長 編集委員 辻本一好、メディアビジネス局イノベーション・パートナー部 三宅秀幸)を選んだ。食と農の廃棄物を自然エネルギーと有機肥料に再生し、日本酒の醸造・販売までのサイクルを確立したことが評価された。
兵庫県内の4農家、4日本酒蔵元と神戸新聞社が連携して、20年プロジェクトをスタート。乳牛のふん尿や食品残さを発酵させて、燃料となるバイオガスを生産。副産物の有機肥料「消化液」を生かして栽培した酒米山田錦を醸した「地エネの酒 環(めぐる)」が今年完成した。
化学肥料や除草剤などを使わず、ごみ問題の解決と自然エネルギー普及をつくる新しい日本酒として、9月22日から約30の店舗での取り扱いが始まった。
母体となった「地エネと環境の地域デザイン協議会」は19年にスタート。国連の持続可能な開発目標(SDGs)の主要テーマであるエネルギーや環境の視点から地域を考えることを目指し、約30団体が参加している。
日本新聞協会は「新聞社が持続可能な地域社会のデザインを考える場を創出することから始め、地元の産品に着目して循環型社会の実現に取り組んだ先見性」などを授賞理由とした。
日本新聞協会の経営・業務部門における神戸新聞社の受賞は、15年の「117KOBEぼうさいマスタープロジェクト」以来となる。
授賞式は11月17日、盛岡市内での第74回新聞大会で行われる。
◇
プロジェクトや「環」の販売についての情報は、「地エネnote」のサイトで詳しく紹介しています。
【リンク】地エネnote
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