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「多様な性を理解してほしい」と話す大学生=兵庫県内
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「多様な性を理解してほしい」と話す大学生=兵庫県内
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 19日の公示が見込まれる衆院選を前に、LGBT(性的少数者)の人たちが各政党の公約に目を凝らしている。今年6月、いったん与野党で合意した性的少数者への理解増進を図る法案は、自民党の一部から「『種の保存』に背く」などの反発があり、国会提出が見送られた。衆院選ではLGBT施策を公約に掲げる政党もあり、兵庫県内の当事者らは「選挙での政策論争をきっかけに、差別のない社会を」と強く求めている。

 同法案は、LGBTへの理解を促進するための法案として、超党派の議員連盟が東京五輪前の成立を目指していた。「差別は許されない」との記述を入れ、与野党で一度合意したものの、この記述に自民党の一部が強く反発。「法制化されれば、行き過ぎた政治運動や訴訟につながる」と懸念する声が出た。

 「LGBTという言葉は浸透してきたが、当事者意識を考えられる人はまだまだ少ない」とは、県内の大学に通う女性(22)。

 高校時代、同性の友人が自分以外の女性と仲良くするのを見て、激しく嫉妬した。「自分だけを見てほしいのに」。恋心や自分の性的指向を自覚しても、誰にも相談できなかった。「変だと思われたくなくて、必死に隠し通した。毎日どうしようもなく苦しかった」と振り返る。

 大学進学後、LGBTの学生が集うサークルに入部。初めて同じ悩みを抱える同世代と触れ合い、「1人じゃない」と安心できた。

 選挙で関連施策が公約に挙がる点は歓迎するものの、「票集めの道具にはしてほしくない」と注文する。

 衆院選に向け、公明党や立憲民主党、共産党などは、LGBTへの理解増進を図る法律の制定を公約に盛り込んだ。一方の自民党は、12日に発表した公約に「LGBTに関する理解増進議員立法の制定」との記述を入れたものの、党内には慎重派も残っている。

 LGBT法案の頓挫について、兵庫県内で働く男性(33)は「まず国が多様な生き方や性を認めなければ、差別は減らない」と力を込める。

 自身について「誰も好きにならない性的指向」と説明した上で「LGBTだけでなく、SOGIE(ソジー)も知って」と訴える。

 ソジーとは、好きになる性別や自分の心の性を指す。それぞれの人にそれぞれの性的指向と性自認があり、すべての人に当てはまる概念という。

 男性がソジーを知ったのは数年前。幼い頃から周囲が話す「恋バナ」に興味を持てず、恋愛欲求もなかった。「人に恋愛感情を持ったことがない」と明かすと「おかしい」とからかわれ、「人として感情が欠落している」と悩み続けた。

 30代に入ってお見合いを繰り返すうち、相手に性的な目で見られることが嫌だと気づいた。自分は誰も好きにならない-。ソジーを知り「それも性の一つ」と自覚した瞬間、初めて自分を受け入れられるようになったという。

 「男性と女性、異性愛と同性愛。それだけで割り切れない性があることも知ってほしい」と求めた。

(末永陽子)

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