14日午後、東京。衆院解散の余韻を引きずり、勢いよく扉が開かれると、首相岸田文雄らに続いて環境相山口壮(つよし)(67)=兵庫12区=が本会議場を後にした。「新しい時代をつくる。山口を選んでもらう選挙だ」。大臣として初めて臨む選挙戦に高揚感を漂わせた。
旧民主党政権で外務副大臣、内閣府副大臣を歴任した山口が自民党に入ったのは6年前。派閥の領袖(りょうしゅう)を務めた自民の重鎮、河本敏夫を継いだ三男の三郎と激戦を繰り返し、根を張った地元の遺恨をよそに、看板替えの強力な後ろ盾となったのが前幹事長二階俊博だった。
安倍・菅両政権で党内ににらみをきかせた二階に重用され、“外様”ながら、派閥の中心を担う事務総長に上り詰めた。大臣決定では感極まり、恩人の二階を前に声を詰まらせた。
その二階を幹事長から外し、岸田は「生まれ変わった自民党を示す」と宣言。だが、閣僚の顔ぶれは元首相安倍晋三らの意向で党内バランスが重視された。
「派閥が見え隠れし、古い体質は抜けていない」。大臣誕生に沸く山口の地元支援者も不安視する。山口の入閣はくしくも党の変化を見えにくくしている。
山口と入れ替わるように、経済再生担当相を退任した西村康稔(59)=同9区=は衆院解散後、党公認候補の支援のため、慌ただしく九州へ向かった。
新型コロナ対応で繰り返しテレビに出演した知名度を生かし、党の選挙対策委員長代行に就任。安倍の出身でもある最大派閥、細田派事務総長にも就いた。
「今回は裏方に回り、将来の総裁選を見据えて仲間を増やす」と公言する西村。親しい支援者は「閣内にいると、岸田の後、総裁選に出にくくなる。『細田派ナンバー2として、全国に顔を売れ!』という安倍さんの考えだ」と明かす。
長期政権の慢心やコロナ対策でつまずき、批判を浴びた安倍・菅政権。内閣の屋台骨として奔走した西村は、自身に付きまとう安倍・菅カラーからの脱却にかじを切り始めた。
「安倍元首相の政策、政治姿勢は正しいが、足らなかった部分もある。そこを岸田首相の誠実さでカバーできる。選挙では両面を主張していく」
◇
自民の政権パートナー、公明党の支持母体・創価学会に近かった菅に対し、現政権ではそのパイプが細りつつある。危機感を抱く公明は模索を始めた。
「菅さんのリーダーシップでワクチン接種はだいぶ進んだ」。14日夕、東京から地元に戻ったばかりの前国土交通相赤羽一嘉(63)=同2区=は、JR新長田駅前で、自身も支えた菅政権の実績を訴えた。
一方で公明は岸田政権下で、高校3年までの子どもに一律10万円を給付する独自の公約を発表。3日、神戸市内に入った党代表山口那津男が強調したのも、自公政権での存在感だった。
公明は前回、自公圧勝の影で、1999年に連立を組んで以降、初めて比例代表の全国得票が700万票を切った。ピーク時に比べ約200万票減らし党内に衝撃が走った。今回は800万票の獲得を目指し、支持母体をフル稼働させる。
公明県議の一人が言う。「連立政権で存在感を示すためにも、これは、集票力を見せつける戦いだ」
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発足から10日で解散に踏み切った岸田政権下で衆院選が事実上、火ぶたを切った。それぞれの思惑が交錯する中、戦後最短となる異例の攻防を追う。=敬称略
(衆院選取材班)
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