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■相乗り「市政与党」思惑交錯

 各党が手を取り合い候補者を支える-。そんな雰囲気は感じられなかった。

 神戸市長選が告示された17日、神戸・三宮での現職久元喜造(きぞう)(67)の出陣式。2日後に公示された衆院選でしのぎを削る自民、立憲民主、公明、国民民主の4党の県組織幹部が、そろってあいさつに立った。

 “同床異夢”とも言える光景。市政と国政で敵と味方がねじれ、2週間の選挙戦で久元を推薦する4党が一緒に行動するのは、告示日と最終日だけの見通しだ。久元の後援会関係者は「机の下では足を蹴り合っている」と話す。

 市長選に独自候補を立てられなかった日本維新の会代表、松井一郎(57)も「相乗りで新しいことはできない」と横やりを入れた。

 しかし久元陣営は意に介さない。スピード感を発揮した新型コロナウイルス対応や三宮再整備の促進など、2期8年の実績を携えて臨む。ただ、コロナ禍で財政が圧迫される中、総事業費が神戸空港建設の2倍を超えるという再開発の巨額投資は風当たりが強い。

 普段は大言しない性格だが、街頭ではばからずに「圧倒的な勝利を」と訴える久元。政党や各種団体の支援者を超えて無党派層にも手を伸ばし、過去最多の集票を更新する構えだ。

 「国政は国政。(政党に)礼を尽くし、支持をいただく」と陣営幹部。したたかな戦略が透けて見える。

     ◇

 元総務官僚で、市役所の生え抜きではない「外様市長」の久元にとって、幅広い市民の信任は市政運営で最大の武器になる。

 一方で、44年にわたって歴代の生え抜き市長を選挙戦で支えてきた労働組合とは隙間が生じた。

 前回2017年の市長選で、史上最多となる34万票を得た久元は翌18年、市職員労働組合(市職労)の役員らによる「ヤミ専従」にメスを入れた。市から給与をもらいながら組合活動に従事していた。この問題に絡む調査で100人以上が懲戒処分となり、組合の組織力は大きく低下した。

 「市職労は市長につぶされたと思っている人が少なからずいる」と組合関係者。市職労は今回の市長選で久元の推薦を見送った。

 ただ、上部団体にあたる市労働組合連合会(市労連)は8月末に久元の推薦を決定。翌月、市労連三役が推薦状を手渡した。

 労使関係に亀裂が生じたとはいえ、職員の立場からすれば久元は所属組織のトップ。現職を支援しない明確な理由は見つからない。かつて「市役所一家」とも呼ばれた組織。組合幹部は、生え抜き市長時代とは違い、庁内の雰囲気がよそよそしくなったと認める。

     ◇

 衆院選公示翌日の20日、久元は同市東灘区で、自民総裁で首相の岸田文雄と並び立った。

 「力強いまちづくりを進める」。久元は演説で、迅速なワクチン接種など、コロナ対応でも見せた国との連携をアピール。岸田も「久元市長は大切な仲間だ。しっかり押し上げてほしい」と持ち上げた。

 「市政与党」との距離は移ろいながら、3期目を狙う久元の選挙戦は折り返しを迎える。=敬称略=

(三島大一郎)

     ■

 5人が立候補し、31日の投開票が衆院選と重なった神戸市長選。候補者と陣営の思惑や動きを追う。

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