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全国遊説で自民党候補への支援を訴える安倍晋三元首相=22日、長崎市内
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全国遊説で自民党候補への支援を訴える安倍晋三元首相=22日、長崎市内

■長期政権、保守地盤にもひずみ

 9年近くに及んだ安倍・菅政権を総括しない与党に、攻勢を強める野党-。長期政権を支えた自民党前職と共産党新人が争う兵庫9区は、こんな構図が展開されている。両政権のひずみは強固な保守地盤でも見え隠れし、一方で「野党共闘」からも不協和音が響き、混迷を深めている。

 21日夕、埼玉県の大宮駅前。自民候補の応援に入った前経済再生担当相の西村康稔(59)の傍らで、理想のリーダーと慕う元首相安倍晋三がマイクを握った。

 「安倍・菅政権で格差が拡大したという野党の主張は間違い。雇用をつくり、収入を増やした」。立憲民主党代表枝野幸男の地盤で、長期政権への批判に真っ向から反論した。

 安倍と同じく全国遊説中の西村も、立民などの野党共闘の政策に「耳触りのいいことばかり言う。惑わされないで」と訴えた。

 7選を目指す前職の西村は、旧民主党に政権を奪われた2009年衆院選でも議席を死守。強固な地盤は付け入る隙を見せず、兵庫県内の自民前職に9人の対抗馬を立てた日本維新の会も、9区だけは擁立を断念した。

 「日本の政治のリーダーとして、大きな一歩を踏み出す大事な選挙。圧倒的な勝利をお願いしたい」

 安倍・菅政権で約4年間、官房副長官やコロナ対応の閣僚を担った実績を引っさげる西村は今回、自民総裁の椅子を見据えた戦いと位置付ける。

 朝の駅立ちを除けば、選挙区でマイクを握ったのは公示日だけで、その後は若手候補らの応援に全国を飛び回り、素地固めに余念がない。街宣では自公政権の実績をアピールするも、コロナ対応でつまずいた菅政権に触れることはない。そこには苦い記憶があった。

 東京都に4度目の緊急事態宣言発令が決まった7月8日夜。会見した西村は、酒類の提供自粛に応じない飲食店に、金融機関から順守を働き掛けてもらう方針を示した。「脅し」とも取られかねないと与野党から批判を浴び、撤回した。

 コロナ禍で苦しんだ明石市内の飲食店経営者(30)は違和感を口にする。「地元を離れてばかりではなく、釈明すべきではないか。逃げているように見える」

 どう勝つかが問われる選挙戦で、長期政権の慢心が影を落とす。

     ◇

 あるじ不在の牙城を狙う共産新人の福原由加利(34)は、野党共闘を背景に攻勢を強める。だが、それも一枚岩とは言いがたい。

 前回、候補者を取り下げ、新社会党に選挙区を譲った共産。7年ぶりに西村とまみえる今回は、立民が候補者を立てず、事実上の野党共闘ができた。ところが公示日、福原の応援に駆け付けたのは、社民党と新社会関係者が中心だった。

 立民の最大の支持団体・連合は、労働運動を巡って対立してきた共産との共闘に異論が根強い。9区特有の事情も相まって動きは鈍い。「強固な地盤を持つ西村を応援する企業もあり、小さな労組が弓を引くのは難しい」(労組関係者)

 連合に配慮する立民県連も、水面下で支援を模索するが、表立った共闘には踏み切れずにいる。

 ワクチン接種率が低い明石市の状況を逆手に取り、「そんな対応しかできない人(西村)に任せられますか」と訴える福原。思惑が交錯する中、政権交代を旗印にした共闘は風穴をあけられるか。

     ◆

 中盤に差し掛かった衆院選。政党、候補者の攻防が目まぐるしく揺れ動く。兵庫の注目選挙区を追った。

=敬称略=

(衆院選取材班)

【特集ページ】衆院選2021

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