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 阪神・淡路大震災以降、創設に向けて議論が重ねられてきた「防災省(庁)」だが、衆院選での論争は低調だ。神戸新聞社が兵庫県内の立候補者にアンケートをしたところ、5割強が設置に前向きな姿勢を示すが、主要政党の主な公約には触れられていない。南海トラフ巨大地震や首都直下地震の懸念は年々高まっているのに、新型コロナウイルス対策など喫緊の課題の前でかすんでいる。(堀内達成)

 「まだ議論は煮詰まっていない」

 岸田文雄首相は総裁選前の9月9日、防災省の新設について神戸新聞の取材に消極的な姿勢をにじませた。ただ「危機管理の専門的な人材育成は重要。窓口の一元化も前向きに考えなければならない」と話し、現在の国の防災体制が抱える課題に言及した。

 防災や災害対応、復興を一手に担う防災省の創設を巡っては、これまで全国知事会や関西広域連合が必要性を訴えてきた。

 国の防災業務は内閣府と内閣官房が調整役となり、国土交通省、総務省消防庁などが分担。多くの省庁が関わり、縦割り行政の弊害が指摘される。内閣府の防災担当は各省から出向し、短期間で戻るため、専門人材の育成にも課題がある。

 これに対し、関西広域連合などが求める防災省は緊急時の司令塔になり、省庁の垣根を越えて指揮。平時は専門性を生かし、防災から復興までの対応を事前にシナリオ化して災害に備える。

 南海トラフの30年以内の発生確率は70~80%、首都直下も発生が想定される中、兵庫県は首都機能のバックアップとして神戸での創設も主張する。

 だが、政府は「現在の仕組みは合理性があり、機能している」として創設に否定的な立場を維持してきた。

 今回の衆院選では、主な公約に、創設を積極的に打ち出している主要政党は見当たらない。過去の選挙では名称は違うが、防災から復興を一元的に扱う新組織の創設を公約に掲げる政党もあり、後退している印象だ。

 創設に向けて活動する河田恵昭・人と防災未来センター長は「今回の選挙で一番の争点はコロナ」と前置きした上で、「南海トラフや首都直下はいつ起きてもおかしくなく、政府も防災を軽視しているわけではない。今年の夏には元首相の安倍晋三さんに創設の意義を直接伝えた。選挙後、政府が新しい体制になれば、改めて働き掛けたい」と話した。

■県内候補者「専門性蓄積が必要」「総理直轄で対応を」

 衆院選に合わせ、神戸新聞社が兵庫県内の小選挙区立候補者に防災庁の必要性を聞いたところ、55%の21人が設置に前向きだった。一方、不要派は約10%の4人で、阪神・淡路大震災を経験した兵庫を地盤にする候補者の考え方が鮮明になった。

 アンケートは全38人に実施。質問の一つに、防災から復興までを担う防災庁を設置すべきか聞いた。

 結果は「設置すべき」14人▽「どちらかといえば設置すべき」7人▽「どちらとも言えない」13人▽「どちらかといえば必要ない」4人▽「必要ない」0人-だった(画像グラフ参照)。

 「どちらかといえば設置すべき」を選択した自民党前職は、災害対応に当たった自身の経験を踏まえ「法体系は構築されている」としながら、「防災の専門性蓄積のため、復興庁が役割を終えた後、内閣府防災との統合も一つの考え方」とした。

 一方、立憲民主党の元職は「自然災害だけでなく、感染症や原発事故などへの危機対応を総理直轄で行う『危機管理・防災局』を設置すべき」と主張した。

 このほか「今やるべきは地域の防災力を高める施策の実行」(共産党新人)、「災害対応は全国一律でなく地域の特性に合わせて行うべき。そのため各種権限を国から都道府県へ移譲することが必要」(日本維新の会新人)などの意見があった。

【特集ページ】衆院選2021

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