• 印刷
映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」で主演を務める俳優の森山未來さん=大阪市内(撮影・秋山亮太)
拡大
映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」で主演を務める俳優の森山未來さん=大阪市内(撮影・秋山亮太)
「自分の思い出と重ね合わせても懐かしい。自分ではピッチ(PHS)にグッときた」と話す森山未来=大阪市内(撮影・秋山亮太)
拡大
「自分の思い出と重ね合わせても懐かしい。自分ではピッチ(PHS)にグッときた」と話す森山未来=大阪市内(撮影・秋山亮太)
映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」の一場面((C)2021 C&Iエンタテインメント)
拡大
映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」の一場面((C)2021 C&Iエンタテインメント)

 自分のことよりも好きになった初めての女性、友との出会い、そして別れ、がむしゃらに打ち込んだ仕事…。二度と戻らない「あのとき」を46歳の今から21歳までさかのぼりながら描く。その時代その時代の風物や文化も懐かしい。ウェブ連載で話題になった「燃え殻」さんの小説が原作の映画「ボクたちはみんな大人になれなかった」で主役、佐藤誠を演じるのが俳優の森山未来(神戸市東灘区出身)。「大人になるってなんなんでしょうね」と笑顔を見せる。

 テレビ番組の美術制作会社で働く佐藤(森山)は同居していた恋人(大島優子)と別れ、惰性で毎日を送る。そんなときフェイスブックに「知り合いかも」と表示されたのが、夫や子どもとの平凡な日常を投稿するかおり(伊藤紗莉)。かつて、自分よりも好きだと思えた唯一の恋人だった。「普通」を嫌った彼女にいまだに大いに影響されている佐藤だが、1999年の大みそか、ラブホテルを出て別れて以来、ずっと音信不通だったのだ。

 「現在からかおりと出会う95年までを順に撮影していった。かおりに対する佐藤の思いを自分の中でもリアルに膨らませることができて、出会いの場面は主人公と同様、ものすごく緊張した」と振り返る。

 原作はその「エモさ(感情が揺さぶられるさま)」で読者をひきつけたが、森山自身は「エモい、といった言葉遣いは大嫌い。自分では絶対に使わない」という。一方で、そうした言葉が生まれ、定着するのは「現代がエモさを渇望しているから」と分析する。

 ダンサーとしての活動も続け、東京五輪の開会式出演は記憶に新しい。37歳になった今、若い頃と比べれば身体能力で及ばないところもあるが「今の体、思考だからできる踊りがある」と、今を楽しむ。「こんなふうに考えられることを大人になったと言うなら、僕自身はそれをポジティブに受け入れたい」

 5日からシネマート心斎橋などで、神戸は6日から元町映画館で公開。ネットフリックスでも配信される。(片岡達美)

もっと見る
 

天気(9月9日)

  • 33℃
  • 27℃
  • 30%

  • 34℃
  • 24℃
  • 40%

  • 35℃
  • 28℃
  • 20%

  • 35℃
  • 26℃
  • 20%

お知らせ