明治-昭和期に神戸市民の足として愛され、その先進性から「東洋一」と称された神戸市電。廃止後、車両の一部は広島電鉄(広島市)に引き継がれ、うち2両は今も現役で広島市内を走り、今月で50年を迎えた。広電は市電時代の外装を再現して節目をPR。くしくも神戸では次世代型路面電車(LRT)導入の機運が高まりつつあり、市電の歩みが再び脚光を浴びている。(初鹿野俊)
神戸市電は1910(明治43)年に開業。ロングシートが一般的だった当時、2人掛け座席を搭載した「ロマンスカー」や女性車掌を採用し、車体の塗装には珍しい緑のツートンカラーを取り入れた。先進的な技術も駆使し、付いた愛称は「東洋一の市電」。だが、車社会の到来を受け、71(昭和46)年3月に全線廃止された。
一方の広電も当時、車の普及による利用減で「存続の危機」(同社広報・ブランド戦略室)に直面。効率的に輸送力強化や車両更新を図るため、全国で廃業した路面電車の車両を買い取る方策をとった。神戸市電からワンマンカー29両を買い、同年11月から新天地での利用が始まった。
その後、老朽化で大半が処分されたが、「582号」と「1156号」の2両が今も現役で活躍。稼働頻度は低いが、平日朝のラッシュ時を中心に少なくとも1日に1回は広島市民らを乗せ、街中を駆け回る。
582号は、市電時代にワンマンカーの目印として付けられていたオレンジの線が消えた以外、外観はほぼ同じ。1156号の外装は塗り替えられたが、2両とも内装は木張りの床のままで往時をしのばせる。
移籍から半世紀で、広電と神戸市交通局は記念企画「リバイバル(再評価)神戸」を12月まで実施中。582号のオレンジ線を復活させ、2両の車内に歴史を振り返るポスターを掲示し、神戸市営地下鉄車両と共通ヘッドマークを掲げる。
市電時代から2両にある特徴的な車体番号の字体を模したキーホルダーの売れ行きも好調で、広電は「輸送力向上に貢献している貴重な車両。神戸の方にもぜひ乗って楽しんでほしい」。貸し切り運行の予約も相次いでいるという。
神戸市交通局は「今も2両が元気に走り続けていることは喜ばしく、いつまでも現役で活躍してほしい」と歓迎。久元喜造市長は、3期目の公約にLRTの実現を目指す意向を示しており、その行方も注目される。
【神戸市電】1910(明治43)年に私鉄「神戸電気鉄道」(神戸電鉄の前身とは別会社)が開業し、17(大正6)年に市営化された路面電車。路線は現在の中央区と兵庫区をつなぐ5・9キロから徐々に延伸。戦禍を経て、53(昭和28)年には灘区から須磨区まで延び、営業路線は計35・5キロとなった。最盛期の乗客数は1日34万人。車社会の到来で段階的に縮小し、71(昭和46)年3月に全線が廃止された。

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