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「刑務所でのボランティアを通じて、高校や大学を卒業できるのは幸せなことだと気づいた」と話す小崎佳奈子さん=神戸市内
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「刑務所でのボランティアを通じて、高校や大学を卒業できるのは幸せなことだと気づいた」と話す小崎佳奈子さん=神戸市内

 加古川刑務所(兵庫県加古川市)の受刑者にボランティアで読み書きを教えている元小学校教諭の小崎佳奈子さん(80)=神戸市中央区=が、体験や思いをまとめた著書「笑顔が報酬」を出版した。文字が読めない受刑者が多い実態を踏まえ「罪を犯してしまう人を減らすためにも、読み書きを学び直せる場を充実させてほしい」と提言する。(井原尚基)

 小崎さんは松山市出身。1964年から2002年まで主に神戸市の小学校で教員を務めた。

 教員退職者向けの雑誌でボランティアの募集を知り、15年から月に2回、同刑務所に通う。現在は新型コロナウイルス感染予防のため中断しているが、これまで60代以上を中心に約40人の女性受刑者に接してきた。

 授業で伝えたいのは、学ぶことの楽しさだ。受刑者を「生徒さん」と呼び、「起立」「着席」と言う代わりに「立ちましょう」「お座りください」と語り掛けることで和やかな雰囲気をつくる。

 今回の著書では、季節の歌を全員で歌って授業を始めたり、曜日に使う漢字を教える際に「月」は地球の衛星で「火」星や「水」星は太陽の惑星である-と天体の説明を加えたりする工夫について紹介する。

 受刑者の作文にアドバイスや励ましを書き入れるため持ち帰ろうとしたら、職員に止められたエピソードなど、刑務所ならではのルールの一端も記した。

 小崎さんは「一生懸命に教えたら、生徒さんは自己肯定感を高めることができるようになるんじゃないかしら」と期待する。

 一方で、「教育を受ける権利を享受できなかった人に対して政府が行えることはまだまだ多い」と指摘。「誰もがある程度読み書きができるようになれば、罪を犯す人は大きく減るのではないか。教育を受けることによって救われる人が増える世の中になってほしい」と願う。

 文芸社刊、1100円。同社TEL03・5369・2299

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