総合 総合 sougou

  • 印刷
オリックス・ブルーウェーブ時代からのファン、南郁夫さん=宝塚市内
拡大
オリックス・ブルーウェーブ時代からのファン、南郁夫さん=宝塚市内

 プロ野球オリックス・バファローズは、初めてのクライマックスシリーズ・ファイナルステージを戦う。25年ぶりのリーグ優勝の勢いそのままに、日本シリーズへの切符をつかむことができるか。長年応援してきたファンを取材し、チームへの期待やこれまでの思い出について聞いた。

 ◇宝塚市の会社員南郁夫さん(61)

 幼少期に西宮・苦楽園に住んでいたこともあり、黄金時代の阪急ブレーブスを熱心に応援していた。チームは1991年に神戸に移転し、ブルーウェーブに。美しいグリーンスタジアム神戸を気に入ったこともあり、内野席に足しげく通うようになった。

 そんな中、阪神・淡路大震災が起こった。当時は神戸市東灘区に住んでおり、自宅は半壊。街は変わり果て、自身も避難生活を送った。あわただしく日々を過ごしてしばらく球場には行けなくなったが、「がんばろうKOBE」をスローガンに掲げたチームが躍進しているニュースに勇気づけられた。

 何とか時間をつくって球場に行くようになったが、前年までとはうって変わり、人があふれ返っていて驚いた。95、96年に連覇を達成。イチロー選手の優勝決定サヨナラタイムリーも、現地で見届けた。「人の力ってすごいなと思った。魔法のようだった」と2年間を振り返る。

 その後チームは低迷期に入ったが、閑古鳥が鳴く内野席に座り続けた。「三塁側の2階席は誰もいなくて、子どもが走り回っていましたよ」と笑う。

 身売り、合併という苦い歴史を知る南さん。正直、数年前まで複雑な思いがわずかにあった。が、今年のオリックスを見ていてその気持ちは完全に消えたという。

 「素晴らしい若手がいて、ベテランが引っ張る最高のチーム。ただ彼らを見守りたいという気持ちです」

 実は、ウェブマガジンで「南郁夫の野球観察日記」というコーナーを持ち、オリックスの記事を書いている南さん。T-岡田選手らを取材したこともある。胴上げの時も、T-岡田選手の姿を見つけて「本当によかったなあ」と胸が熱くなった。「このチームがどこまで行くか楽しみ」と期待する。

 ◇東京都港区の会社員内藤司さん(27)

 2002年から3年連続で最下位となったブルーウェーブ。その02年から応援し始めたという“猛者”だ。幼少期は神戸に住んでおり、グリーンスタジアム神戸(Yahoo! BBスタジアム)によく足を運んだ。閑古鳥が鳴く外野スタンドで応援歌を歌い、声をからした。

 関東に引っ越した後も、埼玉や千葉の球場で頻繁に応援。ブルーウェーブで好きだった谷佳知選手や塩崎真選手、早川大輔選手らのユニホームに袖を通している。

 「合併もあったし何度も最下位を経験したけれど、やっぱり好きなチームの優勝を見たくて応援し続けてきた」と内藤さん。「ここまできたら神戸での胴上げが見たいです」と力を込めた。

 ◇神戸市兵庫区の会社員山崎翔大さん(26)

 0歳の頃から、家族にグリーンスタジアム神戸に連れてこられていたという。物心ついた時にはチームは低迷期に入っていたが「1勝の喜びが大きいこと」が、山崎さんをさらに駆り立てた。1番好きだったのは谷佳知選手。走攻守そろったチームの要にあこがれた。

 リーグ優勝については「全然勝てなかった苦しい時も、あと一歩で優勝を逃した悔しい時もあったけれど、応援してきて本当によかった」と笑顔。応援歌の歌詞になぞらえて「このまま『かなうべき夢の先へ』進んでほしい」と語った。

 ◇大阪市大正区の会社員岸田安彦さん(54)

 小学生の頃から近鉄を応援。現在、妻と2人の子どもと一緒に家族ぐるみでバファローズに声援を送っている。

 1988年にあったロッテ-近鉄の悲劇のダブルヘッダー「10・19」は結婚する前のできごと。まだ野球への関心が薄かった妻と観戦した。優勝を逃した後、泣いて悔しがる彼女の姿を見て「僕の大好きな近鉄のことをこんなに思ってくれるなんて」と思い、これが結婚の決め手になったという。翌年から2人で藤井寺球場や日生球場に赴き、共に声援を送った。

 その後の合併で近鉄が消滅したことで嫌気がさし、6年ほどは野球を見ることすらやめていた。それでも、子どもたちが学校で優待券をもらってきたのを機に、京セラドーム大阪に通うように。年間50試合ほど足を運ぶ。

 近年、チームはBクラスに沈み、「周囲から小馬鹿にされたり同情されたりしながら応援していた」と苦笑。今年はチームの好調で家族の会話も増え、絆も深まったと感じる。「バファローズファンを続けて本当によかった」。さらなる快進撃に期待を寄せる。(小森有喜)

スポーツオリックス
総合の最新
もっと見る
 

天気(10月27日)

  • 23℃
  • ---℃
  • 10%

  • 20℃
  • ---℃
  • 50%

  • 23℃
  • ---℃
  • 10%

  • 23℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ