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さまざまな場面で情報端末を取り入れる谷川雅敏教諭(右端)の授業=姫路市広畑区高浜町3、市立広畑第二小学校
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さまざまな場面で情報端末を取り入れる谷川雅敏教諭(右端)の授業=姫路市広畑区高浜町3、市立広畑第二小学校
神戸新聞NEXT
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 新型コロナウイルスの影響で、ICT(情報通信技術)教育の流れが急速に進んだことを受け、情報端末の活用を迫られた教員たちが習熟に追われている。国が、全国の学校に高速通信環境と1人1台のパソコンを整備する「GIGAスクール構想」を前倒したためで、兵庫県では初心者向け研修に受講者が殺到。県教育委員会も現場のけん引役を担える人材の養成を急ぐが、教員から「時間が足りない」との訴えも漏れる。(小尾絵生)

 大型テレビのような電子黒板に数学のデジタル教科書が映し出された。2次関数の放物線に受講生の教員が専用ペンで色をつける。

 「手書きだと時間がかかるのに一瞬でグラフができる。描き込みも簡単」と受講生。県立教育研修所(加東市)の基礎研修だ。

 この研修の主な対象は情報端末に不慣れな教員ら。年間の受講者数は例年30人程度だったが、2021年度は200人以上に増えた。

 講師の原口攻一郎さん(42)は「教員の危機感を感じる。『1人1台』を念頭に児童生徒が使う場面を想定し、実践に近づけた研修を意識している」という。

 国のGIGAスクール構想は当初、23年度中に完了する計画だったが、コロナ対応もあって3年前倒しされた。しかし、急な変化に現場では戸惑いが目立つ。

 県内の公立高校に勤める20代の女性教諭は「操作を学ぶだけで多くの時間がとられ、授業準備の時間が削られる」とため息をつく。

 県立高校では、来年度の新入生から生徒側が負担し情報端末を購入する。女性教諭は「端末を使うべしとするプレッシャーは強まる」と懸念する。

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 「教育環境のICT化は避けて通れない。シンプルな使い方を身に付け、活用してほしい」。同教育研修所の山本義史情報教育研修課長(48)は強調する。

 教員のスキルアップが急がれる中、県教委はけん引役を育てる研修を実施。機器の操作や授業での効果的な使い方を学んだ87人が認定を受けた。

 その一人、姫路市立広畑第二小の谷川雅敏教諭(41)は、担任を務める3年の授業で、教科を問わず情報端末を活用する。

 ある日の国語では「無人島で3日間過ごすなら」をテーマに、グループ討議を行った。児童は手元の端末に、文字やイラストで持ち物の案を記入。グループで案を共有して絞り込み、提出ボタンをクリックすると、電子黒板に次々と児童と同じ画面が表示された。

 「手書きや直接対話の方がいい時もある。使いどころは考える」と谷川教諭。苦手な教員に「まずは、子どもと一緒に学ぶぐらいの姿勢で臨んでいけばいいのでは」と提案した。

■教員によって習熟度にばらつき

 文部科学省によると、全国の公立小中学校や特別支援学校で、パソコンなどの端末を利活用している割合は、今年7月末時点で小学校96・2%、中学校96・5%。兵庫県でも、神戸市の特別支援学校や夜間中学などごく一部を除き全学年で利活用が始まっている。

 また、同省の2020年度の調査では、教員の7割以上が教材作りやグループ学習へのICTの活用を「できる」と回答。その一方で同年度、兵庫では8割の教員がICT教育について何らかの研修を受けた。

 全体的に危機感を持ちつつ、教員によって習熟度にばらつきがある中、県立教育研修所の原口攻一郎さんは「特定の教員に負担が集中しない環境を整えることが大事」と指摘。「組織的に運用できる体制をつくっていくことを目指してほしい」と求めた。(小尾絵生、名倉あかり)

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