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マスクを着けたまま稽古に励む剣士たち=加古川市平岡町土山
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マスクを着けたまま稽古に励む剣士たち=加古川市平岡町土山
面をかぶる佐藤海人さん。内側に飛まつ感染防止用のシールドも着けている=加古川市平岡町土山
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面をかぶる佐藤海人さん。内側に飛まつ感染防止用のシールドも着けている=加古川市平岡町土山

 新型コロナウイルス禍で、多くのスポーツが「声を出さない」という感染対策に取り組む中、「発声」が欠かせない競技がある。剣道だ。「メン」「コテ」「ドウ」との掛け声が一本への近道になる。どのスポーツよりコロナ禍に翻弄されている現場を取材した。(千葉翔大)

 「もっと声出せ!」

 兵庫県加古川市立平岡東小学校(同市平岡町土山)の体育館を訪ねると、指導者がコロナ前と同じ言葉で子どもたちを教えていた。

 マスクをしたまま、「メーン!」「ドォー!」と大声を出して竹刀を振っているのは、「平岡少年剣道クラブ」に通う6歳から高校生までの約30人だ。

 剣道は発声と竹刀、体の動きが連動して一本となる「気剣体の一致」が原則。竹刀で相手の面を捉えたとしても、審判に有効打と判定させるには、掛け声が重要な要素になる。

 約40分間の稽古を終えた同市立平岡中学校2年佐藤海人さん(14)は「もう慣れたけど、マスクを着けたまま声を出すのは苦しい」と肩で大きく息をした。

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 1回目の緊急事態宣言が出された昨年4月、全日本剣道連盟(全剣連)は「3密になりやすく、口からの飛沫飛散が非常に多い」などとして対人稽古の自粛方針を示した。同クラブも約2カ月間、稽古を中止した。

 同6月、全剣連は顧問医師の意見を踏まえ、対人稽古の再開に向けたガイドラインをまとめた。実験の結果、面の内側でマスクをした上、鼻と口元を覆うプラスチック製のシールドを装着すれば「飛沫の飛散は約95%抑制できる」とのデータが示されたからだ。

 ただし、至近距離で声を出すのは避けたい。互いが竹刀を鍔で受け止め、押し合う「つばぜり合い」は控えるよう求め、引き技の際に声を出すことも禁止した。

 稽古が原因とされるクラスター(感染者集団)発生の報告はなかったため、今年8月にガイドラインを改定。引き続き「つばぜり合いは避ける」としたが、引き技の際の発声はようやく認められた。

 マスクをしたまま分厚い防具を着るため、熱中症の危険もあった。平岡少年剣道クラブも夏場はおおむね20分に1回、水分補給の時間を設けたという。

 兵庫県では緊急事態宣言が計4回出され、そのたびに稽古は中止や時間短縮を迫られた。開催が見送られた大会は数え切れない。

 同クラブ主将の6年生、安部純大君(11)は「できれば今もマスクは外したい。でも、剣道ができるだけでうれしい」と話す。

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 一方、コロナ禍は意外な効果ももたらした。

 「つばぜり合い」の抑制がルールとしても暫定的に適用され、試合のテンポが良くなってきたという。

 兵庫県剣道連盟(神戸市灘区)の担当者は「以前から同様の規則はあったが、実際にはつばぜり合いが試合中の休息や時間稼ぎに使われていた」と明かす。

 コロナ禍で規則をより重視するようになり、担当者は「収束しても、このルールは残るだろう」と指摘。「速い試合展開が見込め、技が出る回数も増えるはずだ」と期待する。

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