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神戸の風景をイメージした「Kobe INK物語」と開発者の竹内直行さん。美しい色彩が旅情を誘う=18日午前、神戸市中央区三宮町1、ナガサワ文具センター三宮本店(撮影・吉田敦史)
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神戸の風景をイメージした「Kobe INK物語」と開発者の竹内直行さん。美しい色彩が旅情を誘う=18日午前、神戸市中央区三宮町1、ナガサワ文具センター三宮本店(撮影・吉田敦史)
神戸の風景をイメージした「Kobe INK物語」と開発者の竹内直行さん。美しい色彩が旅情を誘う=18日午前、神戸市中央区三宮町1、ナガサワ文具センター三宮本店(撮影・吉田敦史)
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神戸の風景をイメージした「Kobe INK物語」と開発者の竹内直行さん。美しい色彩が旅情を誘う=18日午前、神戸市中央区三宮町1、ナガサワ文具センター三宮本店(撮影・吉田敦史)
各地に広がる「ご当地インク」の輪
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各地に広がる「ご当地インク」の輪

 心に残る風景や街のイメージを表現した「ご当地インク」が人気を集めている。これまで全国で約千色が発売されたとみられており、それぞれの色に込められた「物語」が若者らを魅了、万年筆のユーザー層を広げている。新型コロナウイル禍の中、阪神・淡路大震災をきっかけに誕生させた神戸市の文具店も「手にした人を旅にいざない、復興に役立てたい」と願う。

 その先駆け的な存在になったのは、ナガサワ文具センター(神戸市中央区)が手掛けている「Kobe INK(神戸インク)物語」。2007年に発売して以来、100色以上を展開している。

 きっかけは、1995年に発生した阪神・淡路大震災。三宮センター街にあった店舗が被害を受け、周辺のアーケードが崩落した。

 「復興を支援してくれた方々に、神戸ならではのお礼状を送りたい」「地震で失われたり、再興したりした風景を、文具で表現したい」。開発者の竹内直行さん(66)が抱いた熱意が原点だった。

 六甲山、神戸港、旧居留地からそれぞれインスピレーションを得て、「六甲グリーン」「波止場ブルー」「旧居留地セピア」の3色でスタートさせた。

 神戸の各地を訪ね歩いて住民と語り合いながら色を一つ一つ増やしていった。「岡本ピンク」「湊川ライム」「須磨離宮ローズ」「兵庫津ヒストリーブルー」などを続々と発表した。

 「社会のデジタル化の反動で、手書きで思いを伝えるアナログの良さが見直されてきた」と分析する竹内さん。外国人観光客のお土産としても定着し、年間数万個を売り上げる人気商品に育った。近年は東京の専門店で取り扱われ、台湾や米国、豪州に輸出される。

 企業や大学などとのコラボレーションも進んでいる。今春には、阪急電車のイメージカラー「阪急マルーン」を再現した万年筆とインクを発売した。

 現商品のテーマは神戸だが、阪神間や淡路島の人らからも“わがまちの色”を求める声は多いという。竹内さんは「要望があれば、インクの題材を兵庫五国に広げることも考えたい」と話す。

 「それぞれの色にストーリーが込められ、土地の魅力に思いを巡らせる楽しさがある」と竹内さん。「ご当地インクを求めて旅をするきっかけになればいい。苦境に立つコロナ禍からの復興に役立てばうれしい」と願っている。(佐藤健介)

     ◇

 ご当地インクは10年ほど前から、万年筆の多色化などを背景に人気が出て、各地のメーカーや文具店に加え、小規模グループも開発に乗り出す。文化財や自然、都道府県の花とテーマは多彩だ。青森県弘前市の平山万年堂では、弘前城の桜と石垣との重なりを表現した「弘前ピンクグレー」をはじめ、「津軽黒房スグリ」「岩木山ブルーグレー」など18色が店頭に並ぶ。

 会員制交流サイト(SNS)で新色発売の情報がすぐ広まるため、店側はリスクなく展開しやすいメリットがある。季節感や旅情あふれるネーミングやパッケージなどの魅力にとりつかれた状態は「インク沼」と呼ばれ、何百色も収集する愛好家もいるという。

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