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国の重要文化財に答申された江埼灯台=淡路市野島江崎(撮影・中村有沙)
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国の重要文化財に答申された江埼灯台=淡路市野島江崎(撮影・中村有沙)
国の重要文化財に答申された江埼灯台=淡路市野島江崎
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国の重要文化財に答申された江埼灯台=淡路市野島江崎

 国の文化審議会(佐藤信会長)は19日、1871(明治4)年に建てられた淡路市野島江崎の江埼灯台を国重要文化財に指定するよう末松信介文部科学相に答申した。世界的にも最初期の免震装置を備えており、海路の近代化に取り組んだ明治政府の海上交通政策を知る上で貴重な建造物と評価された。

 兵庫県教育委員会によると、江埼灯台は明石海峡を見下ろす標高約40メートルの丘にあり、兵庫開港に備えて瀬戸内海に計画された5灯台の一つ。全国9番目となる洋式灯台で、現存する中では3番目に古いという。今も現役で稼働しており、普段は非公開。

 英国スティヴンソン社の製品を使い、同国の技師リチャード・ヘンリー・ブラントンが施工した。灯塔は石造で高さ8・4メートル。2階が円形の灯室になっており、直径3・8メートルの金属製ドームに覆われ、明かりを増幅する高さ約2・6メートルの凹面レンズを備えていた。1階部分の付属舎の天井が鉄筋コンクリートに改修されている以外、ほぼ当時の姿を残しているという。

 野島断層に近く、阪神・淡路大震災では付属舎の石造りの外壁に亀裂が生じた。免震装置はレンズの真下にあり、直径2・5メートルの円盤2枚の間に鉄球を挟み込み、横揺れの力を逃す構造になっている。同様の装置を備えた灯台は7基造られたが、現在では江埼と潮岬(和歌山県)の2カ所しか残っていない。ただ、管理上の不便さのため、早い段階で固定されたという。

 灯台を管理する神戸海上保安部の狩野宏交通課長は「電子機器で交通管制できる現代でも灯台の光は船員に安心感を与える。今年で設置から150年。これからも灯を守りたい」と話した。(古根川淳也)

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