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話が尽きなかった座談会=神戸市中央区北長狭通7、神戸フリースクール
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話が尽きなかった座談会=神戸市中央区北長狭通7、神戸フリースクール
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 不登校の児童生徒が増えている。2020年度は全国で約19万6千人、兵庫県は約9300人。受け皿となるフリースクールなども整備されつつあるが、実際に「学校に行かない」選択をするのは容易ではない。勉強は? 将来は? 幸せになれる-? 次々と押し寄せる不安のトンネルから親はどうやって抜け出したのだろう。神戸フリースクール(神戸市中央区)に通う子の保護者6人に話を聞いた。(鈴木久仁子)

 朝、登校前におなかが痛くなる、起き上がれない、「行きたくない」と涙を流す…。多くの親が経験する「行き渋り」だ。

 Aさんの場合は、娘が小学4年の夏休み明けに起こった。「体調を崩して1週間欠席。その後も登校前に吐き気を起こすなどし、登校できなくなった」。どうしたらいいか、分からないまま時間が過ぎる。Bさんは「学校に行けない子どもを家に残して、仕事に行くのがつらかった」という。

 周囲の視線も痛い。「学校どうしたん」と素朴に尋ねる近所の人、「学校に行かないなんてとんでもない」とつぶやく祖父母…。簡単に事情を明かせず、何げないひと言で「親子ともに追い詰められた」と、保護者らは語る。

     ◇

■自省

 不登校になる原因は人それぞれだが、座談会では自分の言動に問題があったと考える保護者もいた。

 Cさんは「中学入学後、すぐのテストで将来が決まる」というママ友のひと言が影響したと振り返る。「学歴は将来大切だと思ってたし、学校というレールから外れるのは怖かった」。焦りから息子を追い立てた。高い塾に通わせ、英語の教材を与え…。息子は顔つきが変わるほどやせ細り、昼夜逆転の生活に陥ったという。

 苦しむ子どもの姿が親に自省を促した。Cさんの夫Dさんは「学歴と能力はイコールじゃない。学歴は将来有利かもしれないけれど、必要ではない」と思い至った。Cさんも教育関係の親戚から助言を受け、気持ちが切り替わったという。

 Bさんも、学校に行けずしんどそうな娘を見て考えを改めた。「その日一日を、あぁ楽しかった、と生きるのが何より大事では」。学校にこだわらず、子どもが居心地良く過ごせる場所を探し始めた。

     ◇

■驚き

 程よい居場所は子どもによって異なるだろう。ただ、神戸フリースクールが水に合った子たちは、通ううちに元気を取り戻した。

 Eさんの息子たちは、自分たちで計画し遠出をするようになった。「必要になったら、自然と漢字を学び、計算も速くなっていて驚き」。Aさんの娘は、同スクールに通うために初めて電車に乗った。「ここで好きなことを見つけ出し、年齢に関係なく交流している。子どもの力を過小評価していたかもしれない」とAさんは笑う。

 同スクールでは現在、子どもたちの有志による「仮想の会社」運営が盛り上がっている。社歌を作り、「借用書」を作成し…。ホワイトボードは数多くのアイデアで埋まる。生き生きとした姿を見て、「子どもの命を守るのが最優先だと実感した」と6人は口をそろえた。

     ◇

■心掛け

 不登校になり、先の見えないトンネルの中にいた時期。Fさんは家を居心地良くするよう心掛けた。「子どもを信じ、家族仲良く。学校に行けなくても、罪悪感を抱くことはない」。Bさんも「子どもの気持ちをきちんと聞くようにした。子どもを変えようとするのではなく、先に自分が変わらなければ」と振り返る。

 トンネルを抜けた親子はすがすがしく明るかった。「親に気持ちを言えず、苦しい気持ちで学校に通う子どもは少なくない。気づいてやってほしい」が、6人共通のメッセージだった。

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