それぞれ身体、発達障害がある神戸の若者2人がドローンを操縦し、神戸港の空撮に成功した。一般社団法人国際ドローン協会(東京都)代表理事の榎本幸太郎さんに約1年半前から指導を受け、腕や手がない少女は足でコントローラーを操るなどして撮影。2人の映像は榎本さんが撮ったほかの港町の映像と合わせて編集され、4日に東京で開かれる「東京空撮映像祭」で披露される。(吉田敦史)
生まれつき両腕に欠損や形成不全がある宮崎美侑さん(15)=神戸市東灘区、本庄中3年=と、自閉症スペクトラム障害や注意欠陥多動性障害がある永井弘樹さん(20)=同市灘区。障害者の就労を支援するユニバーサル・ドローン協会(UDrA、同市東灘区)が空撮を企画し、竹中ナミ事務局長が2人を誘った。
2人が撮影に臨んだのは11月20日。榎本さんが付き添い、神戸・ポートアイランド北西の沿岸からドローンを飛ばし、昼夜の港の風景を撮影した。
宮崎さんはチャレンジ精神旺盛。ちょうどドローンで撮った桜の映像を見て興味を持っていたところでもあり、参加を即決した。
ドローンは、主にコントローラーの2本のスティックで操縦する。日常生活の多くの場面で足を使う宮崎さんは「健常者が手で操作するのと変わらない」と足の指でスティックを操作。練習では機種によって少しずつ異なる操縦感覚をつかむよう心掛けたといい、撮影当日は「教科書に載っているような神戸の風景を自分で撮っているなんて不思議」と声を弾ませた。
数字やプログラミング、機械が好きな宮崎さん。「思い描いた映像を撮れた喜びは、数学の問題が解けた時に似ている」と例えた。機械の開発者になりたいと思っていたが、榎本さんからドラマ撮影などの話を聞き、「ドローン空撮者になりたい」とすっかり魅力に取りつかれていた。
永井さんは高校1年の夏に中退し、約2年間、自宅にこもった。母が連れ出してくれた散歩中にスマートフォンで写真を撮るようになり、コンテストに応募。評価されて手応えを感じたことを機に「僕にしかない目線がある」と感じ、ドローンでも生かそうと思った。
撮影本番では丁寧な操縦を榎本さんに褒められた。「夜景の美しさは格別。生きてて良かった」
現在は就労継続支援B型事業所の飲食店で働く。「ドローンを含め写真や語学の力を磨き、いろんな人とつながって社会や地域に貢献したい」と夢を語った。
2人の映像が入った作品は後日、インターネットで公開予定。
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