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小学校で荷物軽量化の取り組みが広がる中、重量化の要因となっているパソコン端末=神戸市西区(読者提供)
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小学校で荷物軽量化の取り組みが広がる中、重量化の要因となっているパソコン端末=神戸市西区(読者提供)

 「小学生の子どもが背負うランドセルの荷物が重く、肩が痛いと言っている」と、神戸市西区に住む女性(40)から、神戸新聞の双方向型報道「スクープラボ」に不安の声が寄せられた。神戸市立の小学校では教科書などの勉強道具を教室に置いて帰る「置き勉」が認められているはずなのに、なぜなのか。答えはすぐに分かった。(小谷千穂)

 女性が同区の市立小学校に通う2年生の長男のランドセルの重さを量ってみたところ、本体を含め合計約5キロ近くあった。長男の体重は約20キロ。時期によって水筒が大きくなったり、図書の本や習字道具を持って帰ったりすると、荷物はさらに重くなるという。

 重量化の一端を担うのは、「GIGAスクール構想」によって2020年度以降、児童1人に1台が配られた学習用パソコンやタブレットだ。長男も4年生の長女も宿題に使うため、毎日約1・5キロのパソコン端末を持ち帰る。母親は「最近は慣れてきたと言っているけど、それが良いことなのかどうか」と声を落とす。

 小中学生の通学かばんの重量化は、学習指導要領の改定による「脱ゆとり教育」(11年度以降)から始まっていた。学習内容が大幅に広がり、教科書はページ数が増した上に、B5からA4に大判化した。

 18年9月、文部科学省は保護者らの指摘を受け、都道府県の教育委員会などに持ち物の重さや量に配慮するよう通知した。その後、「置き勉」が多くの学校で認められた。だが、荷物軽量化に逆行する形になったのが、パソコンやタブレット端末の配布だった。

 ただ、兵庫県教育委員会は端末の持ち帰りは指示しておらず、自治体や学校によって対応は異なる。

 西宮市では「家で充電してもらう」「コロナ感染者が出て急に休校になったときに困る」として、原則は毎日持ち帰るよう学校に伝えている。一方、明石市では「安全対策やネット環境が整っていない」として、全員分を学校で保管しているという。

 スクープラボに投稿した女性が住む神戸市では、持って帰る頻度など、対応は学校に任せている。週末だけ持って帰る学校もあり、コロナで急に休校になった場合には、保護者に端末を取りに来てもらったり、PCR検査で学校に来た際に持って帰らせたりしているという。

 登下校時に持ち運ぶ端末の重さ対策について、取材した各市はいずれも「教科書をできる限り学校に置いて帰る」と答えた。神戸市教委教科指導課の赤木裕之課長は「初めての導入で、試行錯誤している。自習にも使える良いものなので、実態を把握して今後の対策を検討したい」と話した。

 文科省はデジタル教科書の普及に乗り出している。県教委の担当者は「今後10年もすると、パソコン一つで全て済む時代が来るかも。教科書もパソコンも使っている今は過渡期だ」と先を見据えた。

     ◇

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