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捕獲場所などとともに「テルコY」と羽に記されたアサギマダラ=高砂市(高原尚典さん提供)
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捕獲場所などとともに「テルコY」と羽に記されたアサギマダラ=高砂市(高原尚典さん提供)
神戸新聞NEXT
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三浦テルコさん (本人提供)
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三浦テルコさん (本人提供)
高原尚典さん
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高原尚典さん

 「旅するチョウ」として知られるアサギマダラが1匹、兵庫県高砂市に住む男性の自宅庭に舞い降りた。羽には、日付や捕獲場所と共に「テルコY」の文字。誰が飛ばしたのか。調べると、思いがけないドラマに行き着いた。(門田晋一)

 男性は、高砂市の高原尚典(なおふみ)さん(78)。秋の七草の一つで、アサギマダラが好むフジバカマを庭で育てている。

 11月3日、花で羽を休める1匹を見つけ、「けしご山 10/26 テルコY.324」と書かれていることに気付いて写真を撮影。「人慣れして、顔を近づけても逃げない。2時間後に飛び立つまで、たっぷり撮らせてくれた」と振り返る。

 「チョウにマーキングした人に写真を送りたい」

 けしご山をインターネットで検索したところ、高砂市から西へ約70キロ離れた岡山市の芥子(けしご)山だと分かったが、連絡先の見当がつかず、神戸新聞東播支社に持ち込んだ。

 記者が市役所の関係がありそうな部署や、芥子山近くの小学校に問い合わせても糸口がつかめなかったが、公民館の一つが「この辺りはチョウの中継地点でマーキングが盛んなので、知っている人がいるかもしれません」。間もなくマーキングをしたのは岡山市の三浦テルコさん(74)と判明し、連絡を取った。

     ◇

 「テルコY」の「Y」とは何か。三浦さんに聞くと、孫の名前の頭文字という。

 孫は2007年に生まれ、生後すぐに亡くなった。2年後、アサギマダラのマーキング調査に関する講座が近くの公民館で開かれ、もう一人の孫と参加。調査は移動状況を把握するのが目的で、その方法や長距離の渡りをすることについて学んだ。

 アサギマダラがよく飛来する芥子山に1人で登ってみると、ふわふわと飛び交っており、タオルを回すと自分に付いてきた。

 その姿が、短い生涯だった孫と重なり、愛着が湧いた。ふと、テノール歌手秋川雅史さんのカバーで大ヒットした曲「千の風になって」の歌詞が思い浮かんだ。

 「アサギマダラの力で、千の風のように大空を渡って、孫をあちこちに連れて行ってほしい」-。それ以来、自身の名前の後に「Y」と書き添えるようになったという。

 毎年秋には、友人と共に計数百匹にマーキングして放し、四国や九州、沖縄から発見したとの知らせが舞い込む。

 三浦さんは今年、335匹にマーキングし、10月26日に放した324匹目が高砂にやって来た。

 「毎回、そんな場所に行ったのねと、うれしい気持ちになるけど、岡山より東は初めてで、びっくり。いつもと違う場所に行きたいと孫がお願いしたのかな」と穏やかに話す。

     ◇

 11月16日、高原さんから写真を受け取った三浦さんは「アサギマダラを通じてたくさんの人とつながった。今回のご縁も大事にしたい」。三浦さんの願いを乗せたアサギマダラは、これからもどこかの空で羽ばたく。

【アサギマダラ】羽を広げると8~10センチある。日本各地に分布するが、冬が近づくと南西諸島など温暖な地域へ移動するとされ、春には北上。移動距離が約2千キロに及ぶ個体も確認されている。移動状況を把握するため、有志の個人、団体が全国でマーキング調査をしている。

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