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沖縄県などに漂着している軽石。直径もさまざまだ=神戸市中央区海岸通、神戸地方合同庁舎
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沖縄県などに漂着している軽石。直径もさまざまだ=神戸市中央区海岸通、神戸地方合同庁舎
軽石が漂着し、茶色く埋め尽くされた港=沖縄県本部町(近畿地方整備局提供)
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軽石が漂着し、茶色く埋め尽くされた港=沖縄県本部町(近畿地方整備局提供)
神戸新聞NEXT
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 小笠原諸島の海底火山噴火で生じたとみられる軽石が沖縄県などに大量に漂着している問題で、現地調査をした国土交通省近畿地方整備局の緊急災害対策派遣隊「TEC-FORCE(テック・フォース)」が帰還した。同局によると近畿圏で軽石は確認されていないが、海流次第では今後漂着のおそれはあるという。隊員は「問題の規模の大きさを痛感した」と振り返った。(大橋凜太郎)

 海底火山が噴火したのは8月。軽石は10月に沖縄本島に漂着しているのが確認され、エンジントラブルで漁船が出航できないなどの被害が相次いでいる。

 沖縄を中心に大量の軽石が繰り返し漂着しており、金子恭之総務相は5日、回収への財政支援を強化する考えを表明した。

 派遣隊は11月22~29日、那覇港など10カ所以上でドローンでの空撮を試みた。

 担当したのは、隊員の兼田伸二さん(58)、文屋大介さん(44)の2人。軽石の量は風向きや天候によって変わるが、本島北部の屋我地(やがじ)湾や本部(もとぶ)港では蓄積し、陸のようになっている光景を目の当たりにしたという。

 住民からは、漁船やフェリーが出せず、網で軽石をすくって航路を確保していると聞いた。観光地として有名なビーチでは、白い砂浜に軽石が交ざってグレーに変化しかねないため、観光シーズンに向け不安が高まっているという。

 軽石の直径は1ミリ~20センチ程度と幅広く、網ですくおうにも、目が詰まるなどして対処が難しい。上空から撮影した写真は、効果的な除去方法の検討に活用。ショベルカーですくったり、吸引する機械を使ったりと、状況に応じた対策が検討されたという。

 「住民の苦労を肌で感じた」と兼田さん。文屋さんは「沖合に筋状に浮かんでいるのを見て、これが港に押し寄せるのかと驚いた。上空から様子を見て、被害の大きさが初めて分かった」と語った。

 海洋研究開発機構が7日に公開したシミュレーションによると、軽石は沖縄から九州南部、四国沖などを漂っており、今月後半には和歌山県や四国沿岸にも接近すると予測する。

 近畿地方整備局は「過去に火山の噴火による軽石が和歌山などに漂着したことがある。研究機関の予測を注視し、漂着した場合は今回の派遣で得たノウハウを生かしたい」としている。

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