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原告の訴えが退けられ、「不当判決」の垂れ幕を掲げる弁護団=16日午後、神戸市中央区橘通2、神戸地裁
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原告の訴えが退けられ、「不当判決」の垂れ幕を掲げる弁護団=16日午後、神戸市中央区橘通2、神戸地裁
生活保護の支給額減額を巡る訴訟で、判決を前に神戸地裁へ入る原告団=16日午後1時20分ごろ、神戸市中央区橘通2
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生活保護の支給額減額を巡る訴訟で、判決を前に神戸地裁へ入る原告団=16日午後1時20分ごろ、神戸市中央区橘通2

 2013年から国が行った生活保護の支給額引き下げは生存権を保障する憲法や生活保護法に違反するとして、兵庫県内の受給者24人が支給を担う居住地の4市(伊丹、尼崎、神戸、明石)に、減額支給の決定を取り消すよう求めた訴訟の判決が16日、神戸地裁であった。小池明善裁判長は引き下げは適法として訴えを退けた。

 原告弁護団によると、兵庫を含む29都道府県で受給者ら計約千人が起こした同種の訴訟で7件目の判決。原告敗訴は名古屋、札幌、福岡、京都、金沢の各地裁に続き6件目で、2月の大阪地裁判決だけが生活保護法違反とし、支給額引き下げを取り消した。

 厚生労働省は、08~11年の物価下落を生活保護支給額に反映するなどとして、13~15年度に生活保護支給額の基準を段階的に改定。食費や光熱費などの生活扶助費を平均6・5%、最大10%引き下げ、670億円を削減した。

 原告側は、改定は引き下げ幅が大きくなりやすい厚労省独自の算定に基づいており、違法と主張。しかし小池裁判長は厚労相の裁量を認めた上で、改定について「判断の過程および手続きに過誤または欠陥があるとは解されない」とした。

 原告側は複数の研究者の試算から、改定後の支給額は「健康で文化的な最低限度の生活」を維持するには足りず、憲法25条違反とも訴えたが、地裁は違憲とは判断しなかった。

 原告弁護団は「厚労省の無限定な裁量を認め、原告らの生活実態や研究者の意見を全く考慮していない」と批判。原告団長の北風正二さん(83)=神戸市北区=は「生活に困っているたくさんの人たちのためにも闘う」と話し、控訴の方針を示した。

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