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立憲民主党の枝野幸男前代表
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立憲民主党の枝野幸男前代表
国民民主党の玉木雄一郎代表
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国民民主党の玉木雄一郎代表

 10月の衆院選の比例代表で、立憲民主党と国民民主党が同じ略称として採用した「民主党」と書かれた票が、全国で約360万票に上ったことが、神戸新聞社の集計で分かった。どちらの党への投票か判断できず、開票区ごとに両党の得票に応じて案分された。兵庫県を含む近畿ブロックでは、両党の得票合計の22・7%を占めており、識者は有権者の意思を正確に反映できないとして、制度改正を求めている。(長谷部崇)

 総務省は全国の「民主党」票の総数を集計中としている。このため、全都道府県の選挙管理委員会に聞き取り、「民主党」票を足し合わせたところ、合計で362万6320票あった。

 案分の結果、立民に約295万8千票、国民に約66万8千票が振り分けられた。開票作業に当たった市区町村が、開票区ごとの両党の得票に応じて上乗せし、全体を合計した。

 比例代表の得票は立民が約1149万票、国民が約259万票で、いずれも案分票が4分の1を占めた。兵庫県内の「民主党」票は6万5613票で、近畿ブロックでは31万6459票に上り、振り分けられた「民主党」票を含む国民の得票数を上回っていた。

 公選法は、政党名を略称で投票することを認め、複数の政党が同一の略称を使うことを認めている。

 2019年の参院選で、旧国民は「民主党」、旧立民は「りっけん」を略称として使ったが、昨年9月の両党の合流後、新しい国民と立民はそれぞれ「民主党」を総務省に届けた。今月11日に神戸市内を訪れた立民の枝野幸男前代表は「略称が同じだと気付いて変更しようとしたが、既に期限が過ぎていた。われわれのミス」と話した。

 国民県連代表の向山好一県議は「有権者の意思が曖昧な形で票数に反映されてしまい、何らかの是正や調整を党本部に求めたい」。立民県連代表の桜井周衆院議員=比例近畿=は「どちらも旧民主党の流れをくんでおり、なじみがある略称で難しい問題」と話した。

 神戸大大学院の品田裕教授(選挙制度論)は「どちらかの党に投票したつもりが、結果的に票が案分された人も一定いたとみられ、有権者の意思を正確に反映できなかったのは問題だ」と指摘。「○印を付ける記号式投票の採用を比例代表に検討してもよいのではないか」と提案する。

 政党の略称を巡っては、1992年の参院選で日本新党と国民新党が同じ「新党」を使った例がある。

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