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阪神タイガースジュニアのナインと話し込む上本博紀コーチ(中央)。選手にとって最高の教本だ=尼崎市東七松町1、橘公園軟式野球場
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阪神タイガースジュニアのナインと話し込む上本博紀コーチ(中央)。選手にとって最高の教本だ=尼崎市東七松町1、橘公園軟式野球場
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 野球の競技人口減少が指摘される中、プロ野球阪神タイガースが神戸・阪神間で競技の振興活動に力を入れている。主に幼少の初心者向けに教室を開き、児童の精鋭を集めたチームもつくって、鍛え上げる。コーチ陣は阪神で活躍したOBらで、普及と育成の両立を目指している。

 11月中旬、尼崎市内の野球場で、小学6年生のトップ選手でつくる「阪神タイガースジュニア」の練習があった。ナインはノックの打球を追い、内外野の中継プレーを反復。阪神の元選手会長で、昨年に引退したばかりの上本博紀コーチが助言していた。

 ジュニアチームは、各球団が2005年から毎年結成し、日本野球機構(NPB)と開く「NPB12球団ジュニアトーナメント」に出場する。地域の少年野球で活動する選手が対象で、阪神ジュニアにはかつて、佐藤輝明選手(仁川高-近大出、西宮市出身)が在籍し、ジュニアOBが阪神入りする第1号になった。

 今季の阪神ジュニアは近畿圏から約300人の応募があり、動画審査や実戦形式のテストを経て16人(兵庫県内4人)を選んだ。上本コーチは「自分が小学生の時よりも断然レベルが高い。『化け物』の集まり」と驚く。

 チームのメンバーは8月末から週1、2回集まり、元プロの指導を力に、さらに成長する。芦屋市立精道小6年の木ノ下湧万選手は「送球の足の使い方を習うと(腕の)力感がなくなった」と実感している。

 今年のトーナメントは12月28日から30日まで神宮球場などで開かれ、兄も18年の阪神ジュニアで1次リーグ敗退だったという木ノ下選手は「まず初戦の巨人に勝って、そこから優勝」とチーム初の栄冠を狙う。

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 阪神は野球自体の普及にも力を入れる。18年に開講した通年型の「タイガースアカデミー」。上本コーチら元プロの面々が、幼児から中学生までに競技の楽しさを教えている。

 根底には野球離れへの危機感がある。日本高校野球連盟の統計によると、高校硬式野球の部員数は14年の17万312人をピークに下降線をたどり、21年は13万4282人と3万人以上も減少。公園でのボール遊びの禁止やスポーツの多様化などが理由に挙げられる。

 「野球を続けるきっかけになるよう、わいわいできる環境でやっている」

 阪神の07年大学・社会人ドラフト1位で、阪神ジュニアの監督でもある白仁田寛和アカデミーコーチは、キャッチボールの楽しさから伝える。学年別に計7コースがあり、元プロの知見で年間カリキュラムをつくり、子どもたちの反応を見て内容をすぐに修正する。

 当初は約450人の受講生だったが、会場の増加もあり、現在は約970人が所属。高い技術指導のコースも用意し、阪神ジュニアの木ノ下選手も出身だ。白仁田コーチは「野球人気の復活に向けて頑張りたい」と話している。

 アカデミーの新規募集は3月を予定。公式ウェブサイトで案内する。(有島弘記)

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