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 経済苦や予期せぬ妊娠などで育児が困難になる恐れがあり、出産前から支援が必要な「特定妊婦」が増加傾向にあり、2020年度は兵庫県内で712人に上ることが分かった。新型コロナウイルス禍で妊娠届け出数は大幅に減少する一方、特定妊婦が増加。専門家は「誰でも出産にリスクを抱える可能性がある。自己責任にせず、社会全体で支援を」と訴える。(高田康夫)

 特定妊婦は、虐待を防ぐ観点から09年施行の改正児童福祉法で明記。予期せぬ妊娠をした妊婦のほか、身近な支援者がいない▽経済的困窮▽若年-などの妊婦が対象となる。ただ、どの範囲を認定し、支援するかは各市町の判断となる。

 神戸新聞社が県内41市町を取材。18~20年度に認定した特定妊婦の新規件数は18年度=計636人、19年度=計689人、20年度=計712人と増加。この間の妊娠届け出数は減少している。特にコロナ禍に入った20年度は前年度より6%減少しているが、特定妊婦は3・3%増だった。

 妊婦自体の人数が少ない市町もあり、市町別の特定妊婦の数は公表できないが、同規模の自治体でも人数は大きく違う。人口5万人規模のある市では50人を超える一方、1人やゼロといった市町もある。「要フォロー妊婦」「ハイリスク妊婦」といった別枠で支援が必要な妊婦を把握する市町もあり、各市町が実際に支援する妊婦の数はさらに多い。

 20年度に増えたある市の担当者は「コロナの自粛期間に未婚の若い妊婦が急に増えた」。別の市の担当者は「個人的な感覚だが、複雑な背景を抱える妊婦が年々増えている」と話す。

 兵庫県では「養育支援ネット」として、医療機関を受診し、支援が必要と判断された妊婦を把握する仕組みがある。そこで把握された支援が必要な妊婦は18年度276人、19年度355人、20年度487人と増え続けている。

 県はプロジェクトチームを立ち上げ、「予期せぬ妊娠」をした人らの支援を検討する。稲美町こども課の藤原美輪・子育て世代包括支援担当課長は「市町は妊婦が母子手帳を取りに来て初めて状況を把握できるが、取りに来ない人の支援は難しい」と話し、妊娠に困惑し独りで悩み続ける女性に対応する広域的な相談窓口の強化を要望。また「リスクを回避できる社会的な土壌が必要」とし、小中学校で命や性を学ぶ教育の体系化を求めている。

■社会で支えることが必要

 【全国妊娠SOSネットワークの佐藤拓代代表理事の話】 実家や近隣のサポートのあり方が以前とは変わり、ここまでは大丈夫で、ここからは支援が必要、という線をはっきり引くことができない世の中になっている。誰もがサポートを受けなければいけないリスクがある。日本では通常のお産に健康保険が使えず、出産育児一時金42万円(1児当たり)をはるかに超える費用が必要で、挫折する人も多い。その費用を無料にするなど、出産を「自己責任」とするのではなく、社会で支えることが必要だ。

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