神戸空港の搭乗者が15日、4千万人を突破し、記念式典が開かれた。空港を運営する関西エアポート神戸が2018年に公表した中期計画では、20年度に4千万人に到達する見込みだったが、新型コロナウイルスの影響で利用が低迷。06年2月の開港から15年10カ月を要した。
1千万人達成(09年10月)は開港から3年8カ月後だった。2千万人の到達は、経営破綻した日本航空の路線撤退などが響いてややペースダウンし、さらに4年3カ月後の14年1月。3千万人は3年9カ月後の17年10月で、4千万人には4年2カ月かかった。
18年4月から、関西エアポート神戸が神戸市から空港の運営を引き継ぎ、19年には関西3空港懇談会で規制緩和に合意。発着枠の上限を1日60便から80便に拡大し、19年度の搭乗者数は過去最高の約329万人に達した。
しかし、コロナ禍が直撃し、年度計画で376万人を見込んでいた20年度の搭乗者は121万人と開港以来最低水準まで落ち込み、289万人と予測した本年度も10月までに88万人と、低迷が続く。
15日、4千万人目の搭乗客となったのは、沖縄旅行で利用した大阪府東大阪市の岡本望さん(38)、寿吏さん(37)夫妻と長男の陸君(5)。関西エアポート神戸の藤原大輔神戸統括部長は「この2カ月ほどは旅行者も増え、空港需要も回復傾向。4千万人を一区切りに、さらににぎわいのある空港を目指したい」と話した。(長谷部崇)