うつ病や不安症などの患者の増加を受け、2022年度から、高校の保健体育の授業で「精神疾患」が取り上げられる。学習指導要領の改定に伴い、教科書の記述が約40年ぶりに復活。10代での発症も多い中、予防や対処法を詳しく学ぶ。兵庫県内の学校現場や支援者からは、偏見解消の期待とともに「生徒がSOSを早く出せるようになれば」との声が上がる。(中島摩子)
精神疾患は、五大疾病の一つ。厚生労働省の17年調査では、うつ病など気分障害や統合失調症など「精神及び行動の障害」の患者は約348万人で増加傾向といい、長引くコロナ禍で、心の問題は深刻さを増している。
スポーツ庁学校体育室によると、1981年度までの教科書には精神疾患に関する記述があったが、それ以降は、ストレスや「精神の健康」などの文言に変わったという。しかし、患者の増加など、現代の健康課題に対応するため、学習指導要領が改められ、「精神疾患の予防と回復」の項目が設けられた。授業では早期の発見、治療で回復の可能性が高まることや、社会的な対策が必要だと教える。
全国で使用される大修館書店(東京都)の教科書「現代高等保健体育」では、8ページにわたって精神疾患を取り上げる。グラフやイラストとともに「およそ5人に1人以上が生涯に1回は何らかの精神疾患を経験」「約75%は24歳までに発病」「15~39歳の最多の死因は自殺」などと記し、うつ病や摂食障害など主な疾患を詳しく説明する。
運動や食事、睡眠など調和の取れた生活の重要性を説くとともに、早期発見につながるチェック項目も示す。また、摂食障害に苦しんだマラソン選手や、うつ病を患った棋士ら、当事者の声も紹介する。
◇
兵庫県立西宮高校(同県西宮市)では22年度、1年生の授業で3時間程度、精神疾患を学ぶ予定という。同校保健体育教諭の山根桂子保健部長は「SNSの普及やコロナ禍でストレスを抱える生徒は増えている」とし、「精神疾患は誰でもなり得ることや、予防方法を正しく伝えたい」と話す。
高校での学びに期待を寄せるのは、患者の支援を続ける県精神保健福祉士協会の北岡祐子会長(53)だ。「『病院に行ったのは20代だけど、高校時代から幻聴があった』という人も少なくない。早く対処し、症状の悪化を防ぐためにも、知識教育は欠かせない」
その上で「授業で教えた後のフォローも大切。生徒から相談を受けたら、先生と家族、学校のカウンセラーらが連携し、生徒を支える体制を整えてほしい」と求める。
また、統合失調症の当事者で、淡路障害者生活支援センター(同県洲本市)のピアサポーター安井幹人(みきと)さん(52)は「この病気は十人十色。偏見をなくすためにも、若い人たちに生の声を聞いてもらいたい」といい、要望があれば学校を訪問し、生徒に体験を話したいという。
【五大疾病】 厚生労働省が指定し、地域医療の基本方針となる医療計画に盛り込むべき疾病。かつてはがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の四大疾病とされたが、うつ病などの患者増を受け、2013年度から精神疾患が加えられた。厚労省の患者調査(17年)では、糖尿病約328万人、がん約178万人に対し、アルツハイマー型認知症なども含めた「精神疾患」は約419万人で最多だった。
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