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女優、歌手として活躍する南野陽子さん=2021年4月、大阪市内
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女優、歌手として活躍する南野陽子さん=2021年4月、大阪市内
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女優、歌手として活躍する南野陽子さん=2021年4月、大阪市内

 40代、50代の女性を悩ませる「更年期障害」。青春時代をトップアイドルとして駆け抜け、現在はドラマや映画に活躍する女優で歌手の南野陽子さん(54)も、更年期のしんどさに直面している1人です。兵庫県伊丹市出身の南野さんが「ナンノもそうなんだ、と思ってもらえたら」と神戸新聞のインタビューに応じ、年齢を重ねることへの受け止めや更年期障害と仕事の両立について飾らない言葉で語ってくれました。アイドル時代から婦人科系の悩みが多かったという南野さん。自分の体と向き合う中で、現在は「しんどさも含めて、54歳の味。成長期なんだ」と考えているそうです。(聞き手・中島摩子)

--更年期障害の症状はいつからですか?

45歳ぐらいから、指がこわばる、肩が動かしにくい、頭痛や吐き気、何もないのに脈が速くなる、ということが出始めました。でも、今になって思えば軽くて、54歳の今の方がひどい。みんなが『寒い』って言っているのに、何で1人だけ汗をかいて、火照ってるんだろう、ということもあります。

週に3日は、寝込みたいぐらいしんどいです。目まいがして、ベッドから起き上がれず、『助けて』って、泣きながら夫に訴える朝もあります。人間ドックとか、いろいろ調べたりもしたけれど、はっきりしなくて、更年期だろうと。

--どう受け止めていますか?

母や先輩女優さんから、大きい小さいあっても誰でもくるからね、と言われていて、しんどさも見ていたので、とうとう私も一段、階段を上ったなーって。来るものに関しては、落ち込んでもしょうがない。月経もそうだけれど、年齢を重ねて、そういう時期に入ったのなら、素直に「分かりました」です。

もともと私は、生理不順など婦人科系の悩みが多かった方だと思います。そのイライラが、仕事の時にうまく表現できなくて、生意気と言われたこともありました。寝る間もないアイドルだった当時は分からなくて、ただの性格だと思っていたけれど、後で考えると、苦しくなるのは必ず生理周期と重なっていました。でも、それがこの体の癖というか、私の持ち味というか、自分なんだな、と今は受け止めています。

--しんどいときは?

朝、マネジャー(20代女性)に会った瞬間、「今日は最悪。何にもできないから、よろしくね」と言う日があります。目まいがして自分の荷物も持てず、甘えきります。その代わり、元気な日には、マネジャーの少々の失敗にも目をつぶる(笑)。そこは持ちつ持たれつ、かばい合いつつ。夫にも、すべてのことをやってもらう日もあるけれど、そうじゃない日は「おかず、一品増やしちゃう」「湯加減まで心配してあげる」とか。バランスだと思います。

あとは、少しでも心地よくなるよう、食生活や睡眠など日常生活を整えるようにしています。昼間はちゃんと日の光を浴びる。ベッドの周りにいい香りを吹きかけたり、好きな入浴剤を入れたり、自分をフワ~と甘やかす時間を大切にしています。

--更年期障害と仕事との両立はどうしていますか?

声が出なかったり、しまりのない表情だったり、せりふに感情が乗りすぎることもあるけれど、しょうがないと思うようにしています。そうじゃない日に加点しよう、って。54歳という年齢は、多くの女性もきっとそんな感じじゃないかな、と思うので。しんどさも含めてこの年齢の味なんだ、と受け止めて、アップの撮影が多い日としんどい日が重なっても、OKとしています。

でも、外に出られないぐらいしんどくて、しょうがないですまないときもあります。そういうときのために、自分に合うお薬を見つけておくなど、自分の体と向き合っています。

--しんどい時、相手にしてもらってうれしいことはありますか?

具合が悪い、悪くない、に関係なく、「ありがとう」の言葉だと思います。ありがとうって、気持ちよく過ごせる魔法。あと、相づちもです。「そう、大変だね」「頑張ってるよね」とか、ちゃんと話を聞いている、というのが大事。「しんどい!」と言った時、「しんどいんだね~」と言ってもらうだけで違いますよね。

--今回、更年期について取材に応じた理由は?

私の職業は、人を励ましたいとか、喜んでもらいたいとかが原点です。更年期でしんどい、という人がいっぱいいて、私が「そうだよね。もっと周囲に分かってほしいよね、夫にも協力してほしいよね」と話すことで、「ナンノもそうなの?」「私だけじゃないんだ」という人がいるんだったら、いいかなと。

今は、晴れの日も、雨の日も、曇りの日もあって、今日はこんなに頭が痛いけれど、寝たら明日は晴れてるかも、と思うようにしています。でも、起きたら、あーどしゃぶりだった、と落ち込む日もある。でも、それならあさってに期待します。しんどさが、ずっと続くことはないんですよ。きっと。元気な先輩たちから、いずれ楽になるわよ、と教えられた言葉を信じて、今は成長期なんだ、次の段階への移行期なんだ、と考えて過ごしています。

--更年期障害に限らず、今の世の中には「生きづらさ」があふれています。生きづらさを抱えている人に、南野さんからメッセージを。

みんな1人で生まれて、1人で死にます。みんな孤独なんだと思っています。だから、1人で楽しめる何かを見つけることが大事。誰かと何かをすることだけに、楽しさを求めると、その人と接することができないときに、苦しくなってしまいますよね。私の場合は、子どもの頃から本の中身を想像したり、1人遊びしたりするのが好きで、今は音楽やいい香りが、1人での楽しみです。あなたも1人でできる楽しみを見つけてみませんか?

 ◆南野さん、兵庫県と深いつながり

 兵庫県伊丹市出身で、松蔭中学・高校(神戸市灘区)で学んだ南野陽子さん。現在の拠点は関東ですが、インタビューでは「私の頭の中は兵庫県人。出身が兵庫というのは、私の自慢の一つ」と、ふるさとへの思いを何度も口にしていました。

 2015年に執筆した神戸新聞のエッセーでも、多感な中高時代を神戸・阪神間で過ごし、感性が養われたことに触れ、「生まれた病院は尼崎市、寄り道や友人宅は西宮市。デビュー後にアルバイトをさせてもらったカフェは芦屋市」などと記しています。

 今回のインタビューでは、「山あり海あり歴史あり。兵庫県に生まれて良かった」としみじみ振り返るとともに、「話ができる親友は、阪神間に散らばっている」と、学生時代から途切れない縁にも触れました。

 発生から間もなく27年を迎える阪神・淡路大震災については「私は東京にいて、ただぼうぜんとし、すぐに駆けつけることも何もできなかった」と悔しさをにじませつつ、「頑張ってきた人をたくさん見てきている。その人たちの思いは忘れちゃいけない」。

 15年には、神戸市長田区で開かれた復興イベントに参加し、震災復興を願う合唱曲「しあわせ運べるように」の歌詞を朗読。高校の同級生を震災で失ったことを明かしています。

<南野陽子さんのプロフィル> 

 1967年生まれ。18歳でデビューした85年、テレビドラマ「スケバン刑事2 少女鉄仮面伝説」に主演。92年公開の映画「寒椿」「私を抱いてそしてキスして」で日本アカデミー賞優秀主演女優賞に輝く。近年は、テレビドラマ「半沢直樹」や映画「いのちの停車場」に出演。兵庫県伊丹市の伊丹大使も務める。

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 神戸新聞は兵庫県宝塚市在住の漫画家細川貂々(てんてん)さんとともに社会の生きづらさについて考える企画「生きるのヘタ会? てんてん×神戸新聞」に取り組んでいます。これまでにパニック障害の女子プロゴルファーや摂食障害の女性、交通事故で娘を奪われた父親らを取り上げてきました。今回の南野陽子さんのインタビューもその一環です。

 電子版「神戸新聞NEXT」内の特設サイトには専門家のアドバイスや細川さんのエッセー漫画のほか、読者・ユーザーからの投稿を紹介するコーナーもあります。皆さんの生きづらさや、もやもやした経験などのエピソードをお待ちしています。投稿はサイト内の「私も生きヘタ?投稿募集」から。

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