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拉致問題の早期解決を訴える有本明弘さん=12日午後、神戸市長田区(撮影・長嶺麻子)
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拉致問題の早期解決を訴える有本明弘さん=12日午後、神戸市長田区(撮影・長嶺麻子)
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拉致問題の早期解決を訴える有本明弘さん=12日午後、神戸市長田区(撮影・長嶺麻子)

 北朝鮮による拉致被害者の有本恵子さん=失踪当時(23)=が12日、62歳の誕生日を迎えた。昨年12月には、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)の前代表で拉致被害者の田口八重子さんの兄、飯塚繁雄さん(83)が死去。解決の兆しが見えないまま被害者の帰国を求める家族らの高齢化が進む。恵子さんの父、明弘さん(93)は「生きている間に娘に再会できるよう、政府は強い外交力を発揮してほしい」と訴えた。

 明弘さんは毎年、自宅でケーキや手料理などを用意し祝ってきた。だが、一昨年2月に妻の嘉代子さんが94歳で亡くなってからは誕生日会を取りやめ、今年も静かにこの日を過ごした。

 明弘さんは北朝鮮が今年に入り、ミサイル発射を繰り返している点に触れ「武力をアピールしている」と厳しく批判。「国際社会が団結して圧力をかけ、問題行動を止める必要がある」と繰り返した。

 拉致問題は、被害者家族が相次ぎ亡くなる中、近年は目立った進展がない状況が続く。飯塚さんの死を「仲間が減って残念」。嘉代子さんについても「恵子のことが唯一の心残りだった」と振り返り、「今は世界中がコロナ対策を優先し、拉致問題の解決は遠のいている」とうつむいた。

 岸田文雄首相は拉致問題を「一刻の猶予も許されない」としているが、明弘さんは「実際に動いて、はよ解決してほしい」と求めた。

 恵子さんは23歳だった1983年、英国に留学中に欧州で北朝鮮に拉致された。(末永陽子)

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