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かつては快速が走っていた神戸市営地下鉄西神・山手線=神戸市中央区、三宮駅
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かつては快速が走っていた神戸市営地下鉄西神・山手線=神戸市中央区、三宮駅
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 「神戸市営地下鉄西神・山手線で、西神中央駅から三宮駅までの乗車時間を短縮できませんか?」。昨年秋に神戸市がオンラインで開いた市民との意見交換会で、神戸市西区在住の女性が久元喜造市長に要望を寄せた。「快速を通せないか検討したが、実現は極めて難しい」と応じた久元市長。かつて存在した快速を再び通すには莫大(ばくだい)なコストと年月が見込まれ、一部の利用者は逆に不便になってしまうという。(長谷部崇)

■各停本数減 通過駅の客不便に 500億円、震災前と短縮幅2分

 同線では、阪神・淡路大震災が起こる1995年1月までの約1年半にわたって快速が運行された。名谷、新長田、三宮に停車し、西神中央-新神戸間(22・7キロ)を今の各駅停車よりも6分早い26分で結んだが、運行は午前10時~午後5時に限られ、1時間に2本と本数は多くなく、震災による被害で停止した後、復活することはなかった。

 市交通局によると現在、快速を導入しにくい理由は大きく二つあるという。

 まず、停車駅をどこに設定するかが悩ましい。かつて快速が止まった名谷駅の1日平均利用者数(2019年度)は2万5407人(95年度比29%減)、西神中央駅は2万4365人(同15%減)で、年々減少傾向にある。

 一方、両駅間にある西神南駅は1万3712人と95年度比3倍増。学園都市駅はほぼ横ばいだが1万8829人が利用し、交通局の担当者は「これだけ乗客が多い駅を快速で飛ばすわけにはいかない」と話す。

 仮に快速を走らせた場合、その分各停の本数は減ることになり、通過駅の乗客にとって逆に利便性が低下するのもネックだ。通過駅の利用者が多いと、各停に乗り換えようとする乗客が快速の停車駅で滞留してしまう。かといって快速の停車駅を増やせば、速達性が見込めない。

 次に問題となるのは、資金面。西神・山手線の線路は上下各1本で、快速が各停を追い越すタイミングは車両の待避スペースがある名谷駅しかない。速達性をもたせるには、少なくともあと2カ所は待避場所を設ける必要があるという。

 ただ、地下工事は民家の立ち退きなど大規模になり、過去の試算ではじき出された事業費はざっと500億円。さらに着工前の手続きから事業完了まで10年はかかる見込みだ。

 それだけの費用と時間をかけて快速を通したとしても、以前と同じ停車駅の設定で西神中央-新神戸間は24分かかり、以前の快速より2分短縮できるだけ。おまけに各停の本数が多い朝夕のラッシュ時間帯は運行が困難という。

 「鉄道他社に比べて路線距離が短いため、費用に見合うだけの効果が見込めない」と市交通局の担当者。市は「リノベーション・神戸」と題して西神中央駅や名谷駅で駅周辺の再整備や住環境の向上に取り組んでおり、「快速を走らせるのは厳しいが、速達性とは異なるアプローチで西神・山手線の魅力アップを図っていきたい」と話す。

     ◇     ◇

 全国の地下鉄をみると、東京メトロ東西線や副都心線、横浜市営地下鉄ブルーラインなどが快速や急行を運行している。

 横浜市を南北に結ぶブルーラインは、路線距離40・4キロ。2015年7月から快速を運行し、湘南台(神奈川県藤沢市)-あざみ野(横浜市)間の32駅中、18駅に停車する。乗車時間は約60分で、各駅停車の普通より8分短い。

 快速の停車駅は他社線との乗り継ぎ駅や郊外の駅とし、平日の午前10時~午後4時と土曜・休日の午前9時半~午後8時半に1時間当たり2本を運行。各停の追い越しは、車両基地のある2駅で可能だが、朝夕のラッシュ時間帯は過密ダイヤで、快速を走らせるのは難しいという。

 「他社線のような速達性は見込めないが、既存の設備を活用してなんとか快速を通した」と横浜市高速鉄道本部の担当者。神戸市の西神・山手線と比べると路線距離が長く、追い越し場所も2カ所あり、快速を導入しやすい条件がそろっていたようだ。(長谷部崇)

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