新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」が27日から適用された兵庫県。県内では、自宅療養者が1万7234人に上り、前週から3倍以上に膨らんだ。軽症以下の患者への基本対応は、従来の宿泊療養から自宅療養に変更し、症状の悪化で外来受診を推奨する。爆発的に感染が広がる一方、重症割合が少ないオミクロン株の特性に合わせ、リスクと症状に合わせた対応に転換している。
県はこれまで、軽症や無症状の患者も宿泊療養を基本としたが、感染者の急増で、今月中旬から自宅療養へと次第に移行。自宅療養者は19日に初めて5千人を超えると、23日に1万人、25日に1万5千人を超えた。
これを受けて県は、軽症以下は自宅療養とし、呼吸困難や肺炎の症状がある「中等症1」は宿泊療養を基本とする方針に改めた。酸素投与が必要な「中等症2」以上は入院とする。26日時点で、県内で入院を含んで2万2千人を超える療養者のうち、自宅での療養者は77%を占める。
神戸市は自宅療養者が6千人を超えて保健所の業務が逼迫(ひっぱく)し、29日から健康観察を原則停止する。従来は全員に電話などをしていたが、1月中旬から症状がある人に限っており、今後はさらに症状が出たり、悪化したりすれば保健センターに連絡してもらう仕組みに移る。高齢者や重症化リスクの高い人らへの観察は継続するという。
対応が厳しくなる中、県は28日に、24時間対応の「自宅療養者等相談支援センター」を開設する。自宅療養者や濃厚接触者の健康相談に看護師らが電話で応じ、医療機関の紹介や生活支援を行う。電話回線は最大50回線にまで増やすという。
兵庫県医師会も、自宅療養者は医療機関に連絡した上での外来受診を勧める。感染対策が施され、発熱やコロナ患者らに対応する「発熱等診療・検査医療機関」は県内に1458カ所あり、うち895カ所はホームページで公開されている。
県医師会の平林弘久理事は「指定医療機関がこれだけあれば、十分受け入れられるのではないか。予断を許さないが、コロナに不安を持ちすぎる必要はなく、症状がある人が速やかに受診してほしい」と訴える。
また、県は自宅療養者を往診できる医療機関440カ所を指定。現在は若者が多くて重症化が少なく、往診は対応できるといい、平林理事は「受診の敷居を低くし、安心して療養できることが大切だ」と話す。
一方、主に中等症1の患者に対応することになった宿泊療養施設も、運用を2千室から2400室へと拡充された。このうち8施設の千室以上を対象に、県医師会や神戸大病院、兵庫医科大病院の協力で、毎日医師が派遣されている。
県医務課の担当者は「症状に応じた療養体制を整備しており、宿泊、自宅療養の患者にも適切に対応する」としている。(井川朋宏、長谷部崇)
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