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共同墓地で営まれた閉眼供養。299基の墓の多くが寺院墓地などに改葬された=2021年10月30日、兵庫県播磨町上野添
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共同墓地で営まれた閉眼供養。299基の墓の多くが寺院墓地などに改葬された=2021年10月30日、兵庫県播磨町上野添
神戸市石材企業協同組合の能島孝志代表理事
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神戸市石材企業協同組合の能島孝志代表理事

 埋葬された遺骨を取り出し、他の墓地などに移す「改葬」が全国的に増えている。2019年度は約12万4千件と20年前の約1・8倍に上った。核家族化や高齢化で墓地を管理する人が減り、兵庫県内では墓地を丸ごと閉じる墓じまいに至った地域もある。さらに専門家は、新型コロナウイルスの感染拡大で墓参できなくなったことが流れを加速させたと指摘する。(斉藤正志)

 兵庫県播磨町上野添の住宅街の一角にある共同墓地で昨年10月30日、約80世帯の墓299基を丸ごと「墓じまい」する閉眼供養が営まれた。

 墓地は地元の財産区が所有し、有志が草刈りを続けてきた。しかし近年、高齢化などで管理が行き届かなくなくなり、隣接のマンションに伸びた竹がはみ出るなどして苦情も出ていた。

 地元住民は墓じまいのために管理組合を結成。使用者が分からない39基については1年前から縁故者に申し出を呼び掛けたが、該当者が判明しなかったため「無縁墳墓」と位置付けた。

 同管理組合会長の佐伯英治さん(73)=同町野添城=は閉眼供養の10日前、他の数世帯と一緒に地元の寺へと改葬した。

 「核家族化が進んだことで祖父母がいない家庭は地域の風習を知らず、お墓の掃除などもしない。子どもが1人しかおらず、遠方に出て帰って来ないという世帯もある」と佐伯さん。「ご先祖を敬う気持ちは変わらないが、時代の流れなので仕方がない」と話す。

 一方、神戸市石材企業協同組合代表理事の能島孝志さん(66)はそうした流れに加え、コロナ禍での帰省控えの影響を指摘する。

 「コロナの感染拡大で故郷の家族、親戚から『帰って来るのを控えてほしい』などと言われ、墓参りに行けなくなった」と説明。「感染収束が見通せない中、翌年も行けるかどうか分からない。それなら、これを機にお墓を近くに移そうという人が増えているのではないか」とみる。

■団塊世代「子に負担かけたくない」

 改葬の背景、墓や遺骨を移す際に大切な点を神戸市石材企業協同組合の能島孝志代表理事に聞いた。

 -改葬はなぜ増えた。

 「少子高齢化や核家族化が背景にある。特に都市部は、地方から働きに出てきて定住し、帰省時に先祖代々のお墓にお参りする人が多い。そういう人々が高齢化し、体力的、費用的に帰郷するのが負担になった。子や孫の代はさらに誰もお参りできなくなると考え、近くに墓を持ってきたいという人が増えた」

 「社会情勢や生活スタイルの変化も影響。特に最近は団塊の世代が子どもに負担をかけたくないという理由での改葬が目立つ。家族観も変わった。かつてはお墓参りを兼ねて正月や盆に家族で帰省するのが一般的だった。近年は核家族化で故郷に帰るより自分たちだけで過ごす家族が増えた」

 -改葬で大事なことは。

 「家族間、親戚間で話し合いをすることが大事だ。特に遠方からの改葬になる場合、現地で生活しているきょうだいらが健在なら勝手に改葬しないこと。お墓参りを心のよりどころにしている人もいる。例えば、長男だから、というような理由で、連絡もせずに進めるとトラブルになる」

 「檀家になっているお寺があるなら、寺ときちんと話し合うことも重要。人口が減ってお寺も檀家が減っているため、改葬をよく思わないこともある」

 -改葬の手順は。

 「まず関係する人たちと話し合うこと。公営墓地、民営墓地などどこに改葬するのかを決める。元の墓石を使うのか、新たな墓石を購入するのかについても決めないといけない。役所や役場で改葬許可証を発行してもらう手続きも必要だ」

 -費用はどれぐらいかかる。

 「墓石購入の平均額は160万~170万円。墓園の永代使用料(神戸市は当初使用料)は、神戸市立墓園なら3平方メートル72万円。元の場所にあった墓地の解体にも費用が必要になる。墓石の大きさや立地によって異なるが、1平方メートル当たり10万円程度。合計で200万円以上はかかる。改葬先で元の墓石を使ったり、小さなスペースを選んだりすれば費用は抑えられる」

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